ローカルLLM用の統合メモリAPUとして注目を集めてきたAMDのStrix Halo世代。その後継にあたる「Gorgon Halo」世代のフラッグシップ「Ryzen AI Max+ 495」が、PassMarkのベンチマークデータベースに登場し、主要スペックが明らかになった。
この記事でわかること:
- Ryzen AI Max+ 495(Gorgon Halo)の主要スペック
- Strix Halo(MAX+ 395)からのCPU・GPU性能の変化
- 最大192GB統合メモリがローカルLLMに与える影響
- ラインナップと発売時期の見通し
Gorgon HaloはStrix Haloのハーフステップ更新
Ryzen AI Max+ 495は、現行のStrix Haloシリーズ(MAX+ 395)の後継にあたる「Gorgon Halo」世代のフラッグシップAPUだ。アーキテクチャの構成——Zen 5 CPU、RDNA 3.5 iGPU、XDNA 2 NPU——はそのままに、シリコン品質の向上によるクロック引き上げが主な変更点となる。
パッケージ規格はFP11が引き続き使われる見込みで、OEMはStrix Halo搭載機のボード設計をGorgon Haloに転用しやすい。この設計継続性は、早期の製品展開を後押しする要因になる。
CPU性能は前世代比10%増、GPUはほぼ据え置き
PassMarkに登録されたRyzen AI MAX+ PRO 495は、CPUマルチスレッドで57,525ポイントを記録した。前世代のMAX+ PRO 395(51,778ポイント)と比べると約10%の向上だ。シングルスレッドは4,293ポイントで、PRO 395(4,086ポイント)比で約5%高い。
| モデル | シングルスレッド | マルチスレッド |
|---|---|---|
| Ryzen AI MAX+ PRO 495 | 4,293 | 57,525 |
| Ryzen AI MAX+ PRO 395 | 4,086 | 51,778 |
CPUブーストクロックはMAX+ 395の5.1 GHzから5.2 GHzへの微増だ。同一アーキテクチャ(Zen 5)内でのリフレッシュとして、マルチスレッド10%の向上は想定の範囲に収まる。
一方、GPU(Radeon 8065S)は3DスコアがRadeon 8060S(18,185ポイント)とほぼ同等の18,427ポイント。GPUブーストクロックが2.9 GHzから3.0 GHzに上がっても、実効スコアへの影響は限定的だ。RDNA 3.5のコア構成(40CU)は変わっておらず、GPU性能の大幅向上を求めるユーザーは次世代のMedusa Haloを待つことになる。
192GBメモリがローカルLLMの選択肢を広げる
Gorgon Haloの最大の変化は、対応メモリ容量の拡大だ。Strix Haloの最大128GBから、24GB×8枚のLPDDR5Xで最大192GBまで対応する。50%の増加になる。
AMDが採用している87.5%のVRAM配分比率を維持した場合、GPU側に最大168GBを割り当てられる。現在の128GB構成でGPUに使えるのは約112GBだ。192GBになることで、量子化なしの100B超モデルや、より大きな70Bモデルを高精度で実行できる余地が生まれる。
Strix Haloの登場時から、AMDはローカルLLM実行をマーケティングの柱に置いてきた。NVIDIA DGX Sparkなど統合メモリ型AI PCとの差別化軸として、192GBへの拡張はこの戦略をさらに押し進めるものだ。
Gorgon Haloのラインナップ
VideoCardzのリーク情報によると、Gorgon HaloにはMAX+ 495を含む5モデルが並ぶ。
| モデル | CPU構成 | CPUブースト | GPU | GPUブースト |
|---|---|---|---|---|
| Ryzen AI Max+ 495 | 16C/32T | 5.2 GHz | Radeon 8060S | 3.0 GHz |
| Ryzen AI Max+ 492 | 12C/24T | 5.0 GHz | Radeon 8060S | 2.9 GHz |
| Ryzen AI Max 490 | 12C/24T | 5.0 GHz | Radeon 8050S | 2.8 GHz |
| Ryzen AI Max+ 488 | 8C/16T | 5.0 GHz | Radeon 8060S | 2.9 GHz |
| Ryzen AI Max 485 | 8C/16T | 5.0 GHz | Radeon 8050S | 2.8 GHz |
クロックが引き上げられているのはフラッグシップのMAX+ 495のみで、他モデルはStrix Haloのクロック範囲に近い構成となっている(参考)。
発売時期と価格
OEMソースはQ4 2026の投入を示しており、Computex 2026での正式発表が有力視されている。
現行のMAX+ PRO 395搭載機(ROG Flow Z13など)は国内で40〜60万円超の価格帯だ。192GB構成のGorgon Halo搭載機はさらに上位価格となる見込みで、当面は業務用ワークステーション寄りの展開が中心になると見られる。
CPU性能の底上げとメモリ容量の大幅拡張という2点は、ローカルLLMを扱う実務環境での選択肢を広げる。正式発表はComputex 2026のタイミングを待ちたい。