Z.aiの最新フロンティアモデルが、ひとつのAPIキーで呼び出せる形に乗った。

この記事では、GLM-5.2の提供開始とOpenCAP Gatewayでの利用方法を整理します。

この記事でわかること

  • GLM-5.2が何を変えたモデルか
  • OpenCAP GatewayでGLM-5.2を使う手順
  • API料金と既存モデルとの違い

GLM-5.2がOpenCAP Gatewayに追加された

2026年6月17日、CapminalはOpenCAP GatewayでGLM-5.2の提供を開始したと発表しました。Z.ai(旧Zhipu AI)が6月16日に公開した最新フロンティアモデルで、コーディング、エージェント型ワークフロー、長文コンテキスト推論に強みを持つとされています。

OpenCAP Gatewayは、複数のLLMをOpenAI互換の単一エンドポイントで呼び出すゲートウェイです。プロバイダーごとにアカウントやSDKを分けず、ひとつのAPIキーでモデルを切り替えられます。GLM-5.2の追加により、長時間のコーディングエージェント作業をゲートウェイ経由で試せる選択肢が増えました。

なぜ長文コンテキストが主役か

従来のコーディングエージェントは、会話の蓄積やリポジトリ全体の読み込みでコンテキストを圧迫しやすく、途中で文脈が切れる問題がありました。GLM-5.2はこの課題に直接応える設計です。

前モデルのGLM-5.1が約20万トークンだったコンテキスト窓を、100万トークンに拡大しました。Z.aiの公式ブログでは、長いコーディングエージェントの軌跡を安定して扱える「実用的な長文コンテキスト」を目標に掲げています。大規模な実装、自動リサーチ、パフォーマンス最適化、複雑なデバッグといったエージェント向けシナリオで1Mコンテキストの学習を強化したと説明されています。

GLM-5.2の主な変更点

https://z.ai/blog/glm-5.2

Z.aiは2026年6月16日、GLM-5.2をMITライセンスのオープンウェイトモデルとして公開しました。総パラメータ数は7440億、Mixture-of-Experts(MoE)構成で推論時に活性化するのは400億パラメータです。GLM-5.1と同じ規模ながら、長時間タスクへの対応力を大きく引き上げた位置づけです。

性能面では、公式ブログが掲げるベンチマークでオープンソースモデル最上位の水準を主張しています。Terminal-Bench 2.1で81.0点(GLM-5.1は63.5点)、SWE-bench Proで62.1点(GLM-5.1は58.4点)と、前モデルからの伸びが大きい数値です。FrontierSWEではClaude Opus 4.8に1%差の74.4点と、クローズドモデルに迫る結果も示されています。

推論の深さは2段階で選べます。GLM-5.2 (high)は速度と性能のバランス型、GLM-5.2 (max)は難易度の高いタスク向けに計算量を増やすモードです。アーキテクチャ面ではIndexShareを導入し、スパースアテンション層4つごとにインデクサーを共有することで、100万トークン時の演算量を約2.9倍削減したと説明されています。

OpenCAP Gatewayでの使い方

https://capminal.gitbook.io/docs/capminal/opencap/gateway

OpenCAP GatewayのベースURLは https://gw.capminal.ai/api/inference/v1 です。OpenAI互換クライアントなら、既存のコードをほぼそのまま流用できます。

利用の流れは次のとおりです。ウォレットでログインし、ステーキングしたCAPUトークンに応じた日次の推論クレジットを受け取ります。ダッシュボードで OPENCAP_API_KEY を発行し、ターミナルやOpenClaw、Hermes、OpenCodeなどのエージェントツールに設定します。Capminalの公式ドキュメントによれば、月額サブスクリプションやクレジットカードは不要で、ステーキングしたCAPU1枚あたり1日1ドル分の推論クレジットが付与されます。

ターミナルから呼び出す場合の例は次のとおりです。

export OPENCAP_API_KEY="ocap_..."

curl https://gw.capminal.ai/api/inference/v1/chat/completions \
  -H "Authorization: Bearer $OPENCAP_API_KEY" \
  -H "Content-Type: application/json" \
  -d '{
    "model": "<モデル名>",
    "messages": [{"role": "user", "content": "Hello from OpenCAP"}],
    "stream": true
  }'

GLM-5.2のモデル名はダッシュボードの利用可能モデル一覧で確認します。APIキーは日次クレジットを消費するため、キーごとの上限設定や失効・再発行もダッシュボードから行えます。

料金と他の利用経路との違い

https://docs.z.ai/guides/overview/pricing

Z.ai公式APIのGLM-5.2料金は、入力100万トークンあたり1.4ドル、出力100万トークンあたり4.4ドルです。キャッシュヒット時の入力は100万トークンあたり0.26ドルで、GLM-5.1と同額です。Capminalの投稿でもこの価格帯が明示されています。

GLM Coding Plan経由では、Claude Codeなどのコーディングエージェントから GLM-5.2 または GLM-5.2[1m](100万トークンコンテキスト有効化)を指定して利用できます。ピーク時間帯(UTC+8の14:00〜18:00)はクォータ消費が3倍、オフピークは2倍ですが、2026年9月末までの期間限定でオフピークは1倍扱いになるキャンペーンも実施中です。

OpenCAP GatewayはZ.ai直契約とは異なる課金モデルです。ステーキングしたCAPUで日次クレジットを得る仕組みのため、すでにCapminalエコシステムを使っている開発者は、追加のプロバイダー契約なしでGLM-5.2を試せます。一方、Z.ai APIやHugging Faceからのセルフホスト、Vercel AI GatewayやBasetenなどのサードパーティ経由も並行して選択肢に入ります。

Artificial Analysisの調査では、GLM-5.2はオープンウェイトモデルの中でIntelligence Index v4.1の51点を記録し、MiniMax-M3(44点)やDeepSeek V4 Pro(44点)を上回ると報告されています(参考)。コスト対効果の面でも、同インテリジェンス帯でタスクあたり約0.46ドルと、同等クラスのモデルの中では有利な位置にあると分析されています。

導入を検討するときの視点

GLM-5.2は、長時間のコーディングエージェント作業と大規模リポジトリの文脈保持を重視する開発者向けのモデルです。MITライセンスでウェイトが公開されているため、自前インフラでの運用も視野に入ります。

OpenCAP Gateway経由なら、複数モデルを横断する既存のエージェント設定にGLM-5.2を足すだけで試せます。Z.ai APIを直接使う場合と比べ、課金体系やクレジット管理が異なる点だけ押さえておけば、導入判断の材料は揃います。100万トークンのコンテキストとエージェント向けベンチマークの伸びを、自分のワークフローで検証する価値は十分にあるでしょう。