普段使っているAIコーディング環境を変えずに、分散型エージェントネットワークへ接続できるようになりました。
Teneo Protocolは2026年6月18日、Teneo CLIのセットアップガイドを7種類公開しました。Claude Code、Codex、Manus、Cursor、Anti Gravity、VS Code、Hermesそれぞれ向けに、インストール手順を公式サイトで案内しています。新しいツールを覚える必要はなく、今の作業環境からそのまま導入できます。
この記事でわかること
- Teneo CLIとは何か、何ができるか
- 7種類のセットアップガイドの対象環境と違い
- 共通のインストール手順と環境ごとの注意点
- インストール後に何がセットアップされるか
https://teneo-protocol.ai/get-started/setup-guides
Teneo CLIが解決する課題
AIコーディング環境は日々増えていますが、外部データを取り込むたびにAPIキーの取得やSDKの組み込みが必要になるケースが多くあります。SNSの投稿内容、暗号資産の価格、ニュースなど、用途ごとに別サービスを契約する手間が積み重なります。
Teneo Protocolは、分散型のAIエージェントネットワークを提供するプロジェクトです。Teneo CLI(@teneo-protocol/cli)は、このネットワーク上のエージェントを検索・実行するためのコマンドラインツールです。npmの公式説明によると、400以上のエージェントが登録されており、SNS解析、暗号資産分析、ニュース取得、ECデータなどを自然言語で問い合わせられます。有料エージェントへの支払いは、x402プロトコル経由でUSDCのマイクロペイメントが使われます。
今回の更新で変わったのは、CLI本体の機能追加ではなく、導入方法のドキュメント整備です。これまでも npx @teneo-protocol/cli 一発でインストールできましたが、環境ごとの前提条件やフォルダの開き方が異なるため、初心者がつまずきやすい部分がありました。
7種類のセットアップガイドの内訳
公式のセットアップガイド一覧ページでは、7つの環境向けガイドが公開されています。カテゴリは次の3つに分かれています。
AIコーディングエージェント(3種)
- Claude Code(Anthropicのデスクトップアプリ)
- Codex(OpenAIのデスクトップアプリ)
- Manus(クラウドサンドボックス上で動く自律型エージェント)
IDE(3種)
- Cursor(VS CodeベースのAIエディタ)
- Anti Gravity(Google製のエージェントファーストIDE、Gemini 3搭載)
- VS Code(統合ターミナルから実行)
エージェントプラットフォーム(1種)
- Hermes(Nous Research製のAIエージェントデスクトップアプリ)
Teneo ProtocolのX投稿(2026年6月18日)でも、AIコーディングエージェントとIDEのカテゴリ分けが示されており、7環境分のガイドが揃ったことが告知されています。
共通のインストール手順
7ガイドすべてで、核となるコマンドは同じです。
npx @teneo-protocol/cli
AIコーディングエージェントを使う場合は、作業フォルダを開いたうえで次のプロンプトを送る方法が推奨されています。
install this: npx @teneo-protocol/cli
エージェントがターミナル権限を求めてきたら許可し、インストール完了の確認を待ちます。公式ガイドでは、通常1分以内で完了すると記載されています。
前提条件として、ローカル環境ではNode.js 18以降が必要です。node --version で確認できます。Manusだけは例外で、クラウドサンドボックスにNode.jsが最初から入っているため、ローカルへのインストールやフォルダ作成は不要です。プロンプトを送るだけでサンドボックス内にCLIがセットアップされます。
環境ごとの違いと注意点
Claude Code / Codex
どちらもデスクトップアプリで、ローカルフォルダを作業ディレクトリとして指定する流れです。Claude Codeはサイドバーの「Code」から起動し、フォルダピッカーで対象フォルダを選びます。Codexはホーム画面の「Add a new project」からフォルダを追加します。ターミナル版を使っている場合は、シェルで直接 npx @teneo-protocol/cli を実行しても同じ結果になります。
Manus
クラウド上の隔離された仮想環境でタスクを実行するため、自分のPCに何も入れません。新規アカウントには無料クレジットが付与され、ガイド上では無料エージェントの試用までカバーできると説明されています。注意点は、サンドボックスのセッションが切れるとCLIと自動生成されたウォレットが消えることです。同じセッション内で作業を続けるか、ウォレット情報をバックアップする必要があります。Telegram連携時も別サンドボックスになるため、再インストールが必要になる場合があります。
Cursor / VS Code / Anti Gravity
3つともIDEのワークスペースにフォルダを開き、統合ターミナルかAIエージェント経由でインストールします。CursorはAgentモード(Cmd+I / Ctrl+I)からプロンプトを送る方法と、統合ターミナルで直接実行する方法の両方が案内されています。Anti GravityはGoogleアカウントでのサインインが必要で、macOSはApple Silicon(M1以降)のみ対応です。Intel Macは非対応と明記されています。
Hermes
Nous Research製のデスクトップアプリで、他の環境と異なりモデルプロバイダのAPIキーを自分で設定する必要があります。ガイドではOpenRouterのキーを使った手順が示されています。フォルダピッカーがないため、作成したフォルダのフルパスをチャットに貼り付けてからインストールプロンプトを送ります。Telegramボット連携の手順も含まれており、メッセンジャーからTeneoエージェントを呼び出す設定までカバーしています。
インストール後に何が入るか
npx @teneo-protocol/cli を実行すると、npmパッケージの説明に基づき次の処理が走ります。
- CLI本体を
~/teneo-skill/にインストール teneo-cliのSKILL.mdをスキル検出パスへ配置- バックグラウンドデーモンを起動(アイドルタイムアウトは1日)
- 対応するAIコーディングアシスタント向けスキルを
npx skills経由でキューイング
インストール先に生成される主なファイルは、teneo(ラッパースクリプト)、teneo.mjs(CLI本体、約1.4MB)、daemon.mjs(WebSocketデーモン、約3.9MB)です。デーモンはTeneoバックエンドへの常時接続を維持し、エージェントへの問い合わせを中継します。
ウォレットは初回利用時に自動生成されます。無料で試せるエージェントもあり、ウォレットへの入金なしで動作確認できます。有料エージェントを使う場合は、USDCをPEAQ、Base、Avalancheのいずれかのネットワークで入金します。シードフレーズの共有は公式ガイドすべてで禁止されており、Teneo側では紛失・漏洩したウォレットの復旧はできないと明記されています。
既存の導入方法との違い
Teneo CLI自体は以前から npx @teneo-protocol/cli で導入可能でした。GitHubの TeneoProtocolAI/teneo-skills リポジトリには sh install.sh による手動インストール手順も残っています。
今回追加された7ガイドの価値は、コマンドの新規提供ではなく、環境別の手順書です。フォルダの作り方、エージェントへのプロンプトの送り方、トラブル時の対処まで、各ツールのUIに合わせて説明されています。特にManusのクラウドサンドボックスやHermesのAPIキー設定のように、環境固有の前提があるケースで差が出ます。
セットアップガイド一覧には、OpenClawやTeneo Father向けのページも掲載されていますが、現時点では「Coming Soon」表示です。今回公開された7種が、すぐに使える導入ガイドの全体像です。
導入後に試せること
インストールが完了すれば、エージェントの一覧表示や問い合わせが可能です。CLIのスキル定義では39個のコマンドが用意されており、エージェントの検索、詳細確認、コマンド送信、ルーム管理、独自エージェントのデプロイまでをカバーします。
例えば ~/teneo-skill/teneo list-agents でネットワーク上のエージェントを一覧し、~/teneo-skill/teneo info <agentId> で料金やコマンド仕様を確認できます。AIコーディング環境からは、自然言語で「利用可能なTeneoエージェントを一覧して」と依頼するだけで、エージェントがCLIを呼び出して結果を返します。
有料エージェントの料金はエージェント作成者がクエリ単位で設定します。Anti Gravity向けガイドのデモ画面では、gas-sniper-agentが1クエリ0.005ドル、coinmarketcap-agentが0.0004ドルといった価格帯が表示されています。まず無料エージェントで動作を確認してから、必要に応じてウォレットに入金する流れが推奨されています。