プレゼン資料を動画にしたいのに、撮影や編集の手間が重い——そんな悩みに、Googleが直接応える形で機能を広げました。
この記事では、2026年6月17日に発表されたGoogle VidsのAIアバター無料開放について、変更点と実際の使いどころを整理します。
この記事でわかること
- 無料アカウントで使えるAIアバターの範囲と月間生成回数
- Google Slidesから動画を作る流れ
- 有料プランだけの機能(AI音声のみ、長尺Veo生成など)
- 今夏以降に追加予定の感情調整機能
個人アカウントでもAIアバターが使えるように
Googleは2026年6月17日、Google VidsのAIアバターを米国内の個人Googleアカウント向けに無料で提供すると発表しました。他地域への展開は今夏以降を予定しています。
Google Vidsは、Google Workspace向けの動画作成・編集ツールです。月間700万人が利用しているとGoogle Workspace公式ブログで公表されています。今回の変更で、これまで有料層が中心だったAIアバター機能が、個人ユーザーにも開かれました。
無料ユーザーは月10回まで動画を生成できます。この回数はAIアバター動画とVeo 3.1によるクリップ生成で共有します。1本あたりの撮影・編集コストをかけずに、短い説明動画や社内共有用の動画を試せる枠組みです。
Google Slidesからストーリーボードと台本を自動生成
今回の核となるのは、プレゼン資料とAIアバターの連携です。
Google Slidesで作ったスライドをVidsに読み込むと、内容からストーリーボードを組み立て、AIアバターが話す台本を自動生成します。タイムゾーンやチームの違いで同じ説明を何度も録画する手間を、台本の差し替えで済ませられます。アバターは「デジタルプレゼンター」として、メッセージや内容の更新に合わせて台本を書き換え直せます。
アバターの選び方は2通りです。Googleが用意したギャラリーから選ぶか、Nano Banana 2でカスタムアバターを生成します。会社ロゴや背景のカスタマイズにも対応しており、ブランドに合わせた見た目を維持しやすくなっています。
台本と音声は24言語に対応します。英語で作ったピッチを、アラビア語、ヒンディー語、オランダ語、ベトナム語など別言語の音声に切り替えて展開できます。グローバル向けの営業資料や社内研修の多言語化に直結する機能です。
プロンプトで動かす「Direct Avatars」
静止した話者映像だけではなく、アバターをシーン内で動かす機能も強化されています。
Direct Avatarsでは、商品画像などを素材として追加し、プロンプトを入力するだけでアバターに歩行・会話・物体とのやり取りを指示できます。従来の実写デモ撮影に比べ、製品の差し替えや台本修正のたびに撮り直す負担を抑えられます。
有料ユーザー(Google AI Pro、Ultra、Business、Enterprise)は、Veo 3.1によるクリップ生成で従来の8秒制限を超える長尺動画も作れます。一連のデモを途切れなくまとめたい場合、ここが無料枠との大きな差になります。
有料プラン向けのAI音声と生成回数
画面に顔を出したくない場合、有料ユーザーはAIアバターの代わりにAI音声のみのナレーションを選べます。Google Slides連携のAI音声は、日本語、韓国語、スペイン語、フランス語を含む8言語に対応予定です。フランス語、ドイツ語、イタリア語、日本語、韓国語、ポルトガル語、スペイン語でのナレーション生成が想定されています。
Veoクリップの月間上限は、Google AI ProやUltraの加入者では最大1,000本まで引き上げられています。大量の短尺クリップや反復テストが必要なチーム向けの枠です。
今夏追加の感情調整「Emotion Steering」
6月下旬から今夏にかけて、無料・有料を問わず「Emotion Steering」が展開されます。アバターやAI音声の話し方のトーンを調整し、伝えたい意図に合わせて抑揚や雰囲気を微調整できます。AI音声にも同機能が広がる予定です。
この機能はDirect Avatarsの延長線上にあり、見た目の一貫性を保ったまま、ピッチの熱量や説明の温度感をコントロールする用途を想定しています。
始め方と向いている使い方
利用開始はvids.newからです。米国内の個人Googleアカウントが対象で、他地域は今夏以降の展開を待つ必要があります。
向いているのは、営業デックの動画化、社内オンボーディング、製品デモの素早い更新、多言語ピッチの量産です。FullstoryのForest Donovan氏は、営業資料を短い動画ウォークスルーに変え、顧客向けのパーソナライズが変わったと公式ブログで紹介されています。
無料枠は月10回と限られるため、本番用の長尺動画や大量生成には有料プランが現実的です。それでも、スライドからアバター付き動画を一度試すハードルは大きく下がりました。資料作成の延長で動画を量産したい個人や小規模チームにとって、今回の無料開放は実用的な入口になります。