Microsoft Copilotの無料版でも、有料版と同じGPT-4 Turboが使えるようになりました。

2024年3月12日、Microsoftの広告・Webサービス部門CEOミハイル・パラヒン氏がX(旧Twitter)で発表しました。無料ティアの基盤モデルがGPT-4からGPT-4 Turboへ置き換わったとのことです。これまで月額20ドルのCopilot ProやOpenAI API経由でしか触れなかったモデルが、追加料金なしで利用できます。

この記事でわかること

  • GPT-4 Turbo導入で変わった3つのポイント
  • 無料版でGPT-4 Turboを使うためのモード設定
  • Copilot Proとの違いとChatGPT無料版との位置づけ

https://copilot.microsoft.com/

無料Copilotの基盤がGPT-4 Turboに切り替わった

GPT-4 Turboは、OpenAIが2023年11月のDevDayで発表したGPT-4の後継モデルです。従来のGPT-4より多くのテキストを一度に処理でき、学習データの範囲も広がっています。OpenAIの公式発表では128,000トークンのコンテキストウィンドウと、300ページ相当の長文を1回のプロンプトで扱える点が強調されています(参考)。

パラヒン氏は「かなりの作業の末、GPT-4 TurboがCopilot無料ティアのGPT-4を置き換えた」と述べ、Copilot Proユーザーは従来モデルへ戻すトグルも残っていると説明しました(参考)。

Microsoft広報のコメントでは、「Creativeモードの無料ユーザー向け体験はGPT-4 Turboが担う」「Copilot ProユーザーはCreativeモードでGPT-4 Turboのオン・オフを切り替えられる」とされています(参考)。

なぜ今のタイミングなのか

GPT-4 Turboは2023年12月にCopilot Proへ先行投入されていました。無料版はその後もGPT-4のままだったため、有料版との性能差が残っていました。

パラヒン氏はGPT-4 Turbo導入の難所として「チューニング」を挙げ、ユーザー指標がGPT-4利用時と比べて悪化しないよう調整したと答えています(参考)。初期のGPT-4 Turboに見られた「怠け」——コード生成などで途中までしか答えない挙動——は、OpenAIが2024年1月にプレビュー版を更新し、前版よりタスクを最後までこなすよう改善したと公表しています(参考)。

有料版との差別化が今後どうなるかは未公表ですが、当時は次世代モデルがCopilot Pro向けに用意されるのではないか、という見方も報じられていました(参考)。

変わった3点:知識・長文・応答の質

知識カットオフが2021年9月から2023年4月へ

従来のGPT-4は2021年9月までの情報で学習されていました。GPT-4 Turboは2023年4月までの知識を持つとOpenAIが発表しており、Copilot無料版でもこの範囲が反映されます(参考)。Mashableの報道では、Copilotの知識カットオフが2021年9月から2023年4月へ更新されたと整理されています(参考)。コロナ禍後の技術動向や2022〜2023年の出来事について、以前より正確な回答が期待できます。

コンテキストが8Kから128Kへ

GPT-4のコンテキストウィンドウは8,000トークンでした。GPT-4 Turboは128,000トークン——約16倍——に拡大しています。Mashableはこれを「1回のプロンプトで約300ページ分のテキストを処理できる」と説明しています(参考)。長いレポートや契約書、大量のコードをまとめて渡す用途で、途中で文脈を失いにくくなります。

推論精度の改善

ZDNETの検証では、同じ論理パズルをGPT-4とGPT-4 Turboに投げたところ、GPT-4は誤答、GPT-4 Turboは正答したと報告されています(参考)。数学・コーディング・文章作成など、段階的な思考が必要なタスクで体感差が出やすい領域です。

無料版でGPT-4 Turboを使う手順

https://copilot.microsoft.com/

  1. ブラウザでCopilotを開く(Microsoftアカウントでサインイン)
  2. 画面上部のモード切り替えから「Creative(創造的)」を選ぶ
  3. 通常どおりプロンプトを入力する

Microsoft広報の説明では、無料ユーザーがGPT-4 Turboの恩恵を受けるのはCreativeモードです(参考)。Precise(正確)やBalanced(バランス)モードの挙動は、Creativeとは別設定のままです。Windows 11に組み込まれたCopilotやEdgeサイドバーからも同じアカウントでアクセスできます。

Copilot ProやChatGPT無料版との違い

Copilot Pro(月額20ドル)は引き続き、CreativeモードでGPT-4 Turboのオン・オフを切り替えられます。無料版はGPT-4 Turbo固定で、旧GPT-4へ戻す選択肢はありません。

ChatGPTの無料版は当時GPT-3.5が中心で、GPT-4は利用制限付きでした。Copilot無料版はもともとGPT-4ベースに加え、インターネット検索や出典脚注などの機能を備えていました(参考)。今回のアップデートで、モデル性能面でもChatGPT無料版との差がさらに広がります。

Copilot Proの独自価値は、Officeアプリ連携や優先アクセス、カスタムGPT作成など周辺機能に移りつつあります。GPT-4 Turboそのものだけが目的なら、無料版で十分なケースが増えました。

無料でも触れる高性能モデルの意味

GPT-4 Turboが無料ティアに降りてきたことで、AIアシスタントの入門コストはさらに下がりました。長文要約、コードレビュー、最新イベントの調査など、以前は有料枠やAPI契約が前提だった作業を、ブラウザだけで試せます。

一方で、モデルは回答の正確性を保証しません。知識カットオフ以降の事象や、検索結果の解釈ミスには注意が必要です。重要な判断や業務利用では、出典を確認し、必要に応じてCopilot Proや専用ツールと併用するのが安全です。