7530億パラメータのフラッグシップモデルが、クレジットカードなしで試せる。
2026年6月18日、GLM-5.2がHugging Face Inference Providers経由で5時間限定の無料提供が始まった。Novita、Together AI、Fireworks、DeepInfra、Zaiの5社プロバイダで料金0ドル。必要なのはHugging FaceのAPIトークン(HF_TOKEN)だけで、Claude CodeやCodexなどのコーディングエージェントにそのまま接続できる。
この記事でわかること
- 無料キャンペーンの内容と対象プロバイダ
- GLM-5.2の性能と特徴
- Claude Codeなどへの接続手順
- キャンペーン終了後の利用方法
5時間限定で5社プロバイダが0ドル提供
X上の告知によると、GLM-5.2はHugging Face Inference Providersを通じて5時間限定で無料利用できる。対象はNovita、Together AI、Fireworks、DeepInfra、Zaiの5社。通常、Fireworksでは入力100万トークンあたり1.40ドル、DeepInfraでは1.20ドルがかかるが、キャンペーン期間中はこれらすべてが0ドルになる。
利用条件はシンプルだ。Hugging Faceアカウントを作成し、Inference Providersの利用権限を持つAPIトークン(HF_TOKEN)を発行する。クレジットカードの登録は不要。Z.aiの公式API(入力100万トークン1.40ドル)とは別ルートで、Hugging Faceのルーター経由でアクセスする仕組みだ。
対応ツールはClaude Code、OpenCode、Codex、OpenClaw、Piを含む各種コーディングエージェント。Anthropic互換のエンドポイントを差し替えるだけで、既存の開発フローを変えずにGLM-5.2を試せる。
GLM-5.2とは何か
GLM-5.2はZ.ai(智譜AI)が2026年6月16日に公開した最新フラッグシップモデルだ。7530億パラメータのMixture-of-Experts(MoE)アーキテクチャを採用し、MITライセンスでオープンウェイト公開されている。
前モデルGLM-5.1から大きく進化した点は3つある。
100万トークンのコンテキスト — GLM-5.1の約20万トークンから5倍に拡大。大規模なコードベース全体を一度に読み込める。
思考レベルの選択 — HighとMaxの2段階。複雑なコーディングタスクではMaxを選び、速度と精度のバランスを調整できる。
IndexShareアーキテクチャ — 4層ごとにインデクサーを共有し、100万トークン時の計算量を2.9倍削減。推論速度の改善にもつながる。
ベンチマークでもオープンソースモデルとして最高水準だ。Terminal-Bench 2.1で81.0点(GLM-5.1は63.5)、SWE-bench Proで62.1点(GLM-5.1は58.4)を記録している。Terminal-Bench 2.1ではClaude Opus 4.8(85.0)との差は4ポイントにとどまる。
Claude Codeへの接続手順
Hugging Face公式ドキュメントに沿った設定手順を示す。事前にClaude Code CLIのインストールと、Inference Providers権限付きのHF_TOKENが必要だ。
方法1: hf-claude拡張機能(推奨)
export HF_TOKEN="hf_..."
hf extensions install hanouticelina/hf-claude
hf claude
拡張機能がモデルとプロバイダを対話形式で選び、環境変数を自動設定してClaude Codeを起動する。GLM-5.2を選べば設定ミスを防げる。
方法2: 環境変数を手動設定
export ANTHROPIC_BASE_URL="https://router.huggingface.co"
export ANTHROPIC_AUTH_TOKEN="${HF_TOKEN}"
export ANTHROPIC_API_KEY="${HF_TOKEN}"
export ANTHROPIC_DEFAULT_OPUS_MODEL="zai-org/GLM-5.2"
export ANTHROPIC_DEFAULT_SONNET_MODEL="zai-org/GLM-5.2"
export ANTHROPIC_DEFAULT_HAIKU_MODEL="zai-org/GLM-5.2"
export CLAUDE_CODE_SUBAGENT_MODEL="zai-org/GLM-5.2"
claude
モデル名の末尾に:fireworks-aiのようにプロバイダ名を付けると、特定のプロバイダに固定できる。付けない場合は:fastestポリシーで最も高速なプロバイダが自動選択される。:cheapestや:preferredも選べる。
100万トークンのコンテキストを使う場合は、モデル名をzai-org/GLM-5.2のまま使い、CLAUDE_CODE_AUTO_COMPACT_WINDOW=1000000を設定する。長時間の推論ではAPI_TIMEOUT_MS=3000000も設定しておくと、タイムアウトで中断されにくい。
OpenAI互換APIでの利用
Claude Code以外のツール向けに、OpenAI互換エンドポイントも使える。
from openai import OpenAI
import os
client = OpenAI(
base_url="https://router.huggingface.co/v1",
api_key=os.environ["HF_TOKEN"],
)
completion = client.chat.completions.create(
model="zai-org/GLM-5.2",
messages=[{"role": "user", "content": "PythonでRFC 3339タイムスタンプをパースする関数を書いて"}],
)
CodexやOpenCodeなど、OpenAI互換APIに対応したエージェントなら同じbase_urlとHF_TOKENで接続できる。
キャンペーン終了後の選択肢
5時間限定の無料提供は期間が短い。見逃した場合や継続利用したい場合は、次のルートがある。
GLM Coding Plan — Z.aiの月額サブスクリプション。Lite、Pro、Max、Teamの各ティアでGLM-5.2が使える。Anthropic互換エンドポイント(https://api.z.ai/api/coding/paas/v4)経由でClaude Codeに接続する。2026年9月末まで、オフピーク時間帯(UTC+8の14:00〜18:00以外)の利用は1倍消費に抑えられる。
Hugging Face Inference Providers(通常料金) — キャンペーン外でもHF_TOKEN一つで15社以上のプロバイダにアクセスできる。Fireworksでは入力100万トークン1.40ドル、DeepInfraでは1.20ドル。Z.ai直APIと同等かそれ以下のコストだ。
ローカル実行 — MITライセンスのウェイトをHugging Face(zai-org/GLM-5.2)からダウンロードし、vLLMやOllamaで自前ホストする。ライセンス料は無料だが、7530億パラメータのMoEモデルは大量のGPUメモリが必要になる。量子化版を使えばハードルは下がる。
Z.aiトライアルクレジット — 新規アカウント向けの無料クレジットやレート制限付き無料枠がある。公式サイト(z.ai)で最新の条件を確認する。
100万トークンが変えるコーディング体験
GLM-5.2の最大の武器は、実用的な100万トークンコンテキストだ。従来の20万トークン級モデルでは、大規模リポジトリ全体をコンテキストに載せるのは難しかった。GLM-5.2なら複数ファイルにまたがるリファクタリングや、長時間のデバッグセッションを1つの会話で完結できる。
Z.aiの公式ブログでは、FrontierSWEやPostTrainBenchといった長期タスク向けベンチマークでもオープンソース最高位を記録したと報告している。コーディングエージェントが数時間かけてタスクを完遂する「ロングホライズン」用途に設計されたモデルだ。
今回の5時間無料キャンペーンは、その性能を手軽に試す絶好の機会だ。HF_TOKENだけでClaude CodeやCodexに接続でき、クレジットカードも不要。期間中に触ってみて、自分の開発フローに合うか確かめてほしい。