LovableやBoltなどのAIアプリビルダーが普及する中、「データが外部サービスに依存する」という問題が開発者の間で顕在化しています。この記事では、Supabaseを「第一級の統合先」として設計したAIビルダー Cadrant の機能・料金・競合との違いを整理します。
この記事でわかること:
- Cadrantがどんな課題を解決するか
- 主な機能と技術スタック
- 料金プランの詳細
- LovableやBolt.newとの違い
既存ツールの問題点:データが自分のものにならない
LovableはSupabaseをバックエンドに使いますが、デフォルトではLovable管理のSupabaseインスタンスに紐づきます。Bolt.newは独自のデータベース基盤(Bolt Database)を使っており、プラットフォームへの依存は避けられません。こうした構造では、サービスが終了したり料金が急変したりしたとき、データの移行コストが大きくなります。
CadrantのアプローチはSupabaseファースト
Cadrantは「自分のSupabaseアカウントを直接つなぐ」設計です。アプリが生成されると同時に、指定したSupabaseプロジェクトにデータが書き込まれる構造になっています。公式の特徴として以下が挙げられています。
- 複数のSupabaseアカウントを接続できる
- ベンダーロックインなし
- データ・インフラ・ルールはすべて自分が管理
Lovableと異なる点は、Cadrant側がデータを仲介しないことです。スキーマ設計やRow Level Securityの設定まで含めて、Supabase上で直接行われます。GitHub連携も備えており、生成したReactコードはリポジトリに同期されます。
主な機能
Cadrantが生成するフロントエンドはReact.js + Tailwind CSSです。技術的には一般的なスタックを採用しているため、後からエンジニアが引き継いでも扱いやすい構成になっています。
プラン全体に共通する機能:
- 自然言語でのアプリ生成(UIと業務ロジックを同時生成)
- AWS上での無料ホスティング
- コンテンツエディタ(コードを書かずにテキストや見た目を変更)
- コードとデータの完全な所有権
Starterプラン以上では、独自ドメインとSSL証明書の適用も可能です。
料金プラン
| プラン | 料金 | 主な内容 |
|---|---|---|
| Freemium | 無料 | ホスティング・コンテンツエディタ・Supabase連携 |
| Starter | €20/月 | 上記 + 独自ドメイン・SEO設定 |
| Pro | €40/月 | Starter全機能 + 優先サポート・チーム機能 |
LovableのStarterプランは月$20(約3,000円)ですが、Lovable管理のSupabaseを使う制約があります。CadrantのStarterプランは同価格帯で自前Supabaseを使える点が異なります。
Lovable・Bolt.newとの比較
LovableはSupabase統合の深さが強みで、テーブル作成・RLS設定・認証フローまで自動で組み立てます。ただし、独自のSupabaseを使う場合は設定が必要で、無料枠ではLovable管理のインスタンスが前提です。
Bolt.newはブラウザ内Node.js実行環境(StackBlitz WebContainers)を持ち、フロントエンドとバックエンドを同時に生成できます。ただし、独自のSupabaseを外部接続として扱う構造です。
Cadrantの差別化点は「Supabaseの複数アカウントを第一級の統合先として扱う」設計にあります。既にSupabaseで運用中のプロジェクトに追加機能をCadrantで作って接続したいケースや、クライアントごとに異なるSupabaseアカウントを使い分けたい代理店・フリーランスの用途に向いています。
まとめにかえて
Cadrantはnocode AI開発を「自分のインフラ上で完結させたい」というユーザーへの回答として設計されています。Freemiumプランから試せるため、既存のSupabaseプロジェクトに接続してどこまで自動生成されるか確認するだけでも価値があります。競合ツールと料金が近い点を考えると、Supabaseをすでに使っている開発者・チームには有力な選択肢です。