iOS 26.4で、CarPlayにサードパーティのAIアシスタントが解禁された。Siriでは答えられない質問を、運転中にハンズフリーで聞ける時代が来ている。

現時点で対応しているのはChatGPTとPerplexityの2つ。どちらも音声で会話できるが、得意分野はまったく違う。この記事では、12のタスクで両者を比較し、用途ごとの使い分けを整理する。

この記事でわかること:

  • iOS 26.4で追加された「音声会話アプリ」カテゴリの仕組み
  • ChatGPTとPerplexityの得意・不得意の違い
  • 12項目の比較で見えた使い分けの基準
  • 無料で使えるか、有料が必要か

CarPlayのAIアシスタント対応とは

https://support.apple.com/carplay

AppleはiOS 26.4で「voice-based conversational apps(音声会話アプリ)」という新しいCarPlayアプリカテゴリを追加した。AIチャットボットがCarPlay上で動作し、運転中に音声だけで会話できる。

安全面の制約がある。テキストや画像の表示は最小限に抑えられ、ウェイクワードには非対応だ。使うにはCarPlay画面でアプリアイコンをタップしてから話しかける。Siriの代替ではなく、Siriでは対応できない質問や会話に使う追加の音声アシスタントという位置づけになる。

利用条件はCarPlay対応車両とiPhone、iOS 26.4以降、そしてChatGPT/Perplexityアプリの最新版の3つだ。ChatGPTは無料アカウントでも利用できる。一方、PerplexityはProプラン(月額20ドル)が実質必須で、無料版では音声モードの利用回数がすぐ上限に達する。

Perplexityが強い領域:iPhone連携

ZDNETのLance Whitney氏が、CarPlay上で12の実用タスクを両AIに投げて比較している(参考)。結果を整理すると、両者の性格の違いが明確に浮かび上がる。

Perplexityはナビ案内、レストラン検索、カレンダー確認、リマインダー設定の4項目で勝利した。共通点は「iPhoneの機能やデータへのアクセス」だ。位置情報を使った経路案内ではApple Mapsと連携し、カレンダーの予定読み上げや追加にも対応している。

ChatGPTはこれらのタスクに一切対応していない。位置情報もカレンダーも参照できないため、ローカル情報が必要な質問には答えられない。

ChatGPTが強い領域:会話と表現力

ChatGPTは具体的な質問への回答、物語の創作、雑談の3項目で勝った。共通するのは「言葉の表現力」だ。おすすめのSF小説を聞けば、タイトルだけでなく各作品の魅力を生き生きと語る。創作では想像力のある物語を即興で生成する。長時間運転の退屈しのぎに話しかけると、双方向の会話で飽きさせない応答が返ってくる。

Perplexityは情報検索寄りの設計のため、回答が事実の列挙に留まりやすい。物語を頼んでも「猫は実際には月に行けません」と前置きしてしまう場面があったという。

引き分けと両者とも非対応の領域

一般的な知識の質問、トリビアクイズ、語学学習では両者とも同等の実力を発揮し、引き分けだった。

一方、音楽再生はどちらも実用的ではなかった。PerplexityはSpotify連携に対応しているものの、CarPlay経由では曲の自動再生に失敗するケースが報告されている。電話やメッセージの送信も両者とも非対応で、これらは引き続きSiriの担当になる。

用途で選ぶ使い分け

1つに絞る必要はない。両方インストールして場面で切り替えるのが現実的だ。

「近くのガソリンスタンドはどこ」「次の予定は何時」といったiPhoneのデータや位置情報を使う質問にはPerplexityが適している。「暇つぶしに何か話そう」「面白い話を聞かせて」といった会話型の用途にはChatGPTが向いている。

現時点でCarPlayに対応しているAIアシスタントはこの2つだけだ。Google Gemini、Claude、Grokは未対応で、対応時期も明かされていない(参考)。

注意点

ウェイクワードが使えないため、アプリ起動時の最初のタップは手動になる。Siriのように「Hey Siri」で呼び出せるわけではない。iPhoneの設定変更や車両操作にも対応しておらず、あくまで「会話と情報取得」に特化した機能だ。

料金面では、ChatGPTが無料で全機能を使えるのに対し、Perplexityは月額20ドルのProプランが実質必要になる。Perplexityの強みであるiPhone連携を活かすには、この費用を受け入れるかどうかが判断の分かれ目になる。

車内でAIと会話する体験自体がまだ新しい。音声中心のインターフェースとはいえ、会話に集中しすぎて注意力が散漫になるリスクはある。まずは信号待ちや渋滞中など、余裕のある場面から試してみるのがよい。