ローカルLLMとターミナル上のコーディングエージェントを、一つのコマンドでつなげられるようになりました。
2026年6月15日、Ollamaは公式XアカウントでCline CLIへの対応を発表しました。Kanban機能を使えば、複数のコーディングタスクを並列で走らせられます。ローカルモデルでAIコーディングを試したい開発者にとって、セットアップの手間が大きく減る動きです。
この記事でわかること
- OllamaとCline CLI連携で何ができるか
ollama launch clineの使い方と主要オプション- Kanban機能を使った並列開発の概要
- 手動設定や注意点
OllamaがCline CLIに対応した背景
Ollamaはローカル環境でLLMを動かすためのランタイムです。Cline CLIは、ターミナルやエディタ上で動く自律型コーディングエージェントで、リポジトリの読み込み、ファイル編集、コマンド実行、差分確認までを一連の流れで行います。
これまでもClineのVS Code拡張やCLIからOllamaをプロバイダーとして選ぶ方法はありました。ただし、プロバイダー設定やエンドポイント指定、モデル選択を自分で行う必要がありました。
今回の対応では、Ollama側からCline CLIを直接起動する ollama launch cline コマンドが用意されています。このコマンドはOllama v0.16.3(2026年2月19日リリース)で追加され、公式ドキュメントにも連携手順が掲載されています。
何が変わったか
Ollama公式の発表によると、Cline CLI連携の要点は次の2点です。
ollama launch clineでCline CLIを起動できる- Kanban機能で並列タスクを扱える
ollama launch cline を実行すると、OllamaがClineのプロバイダーを自動でOllamaに設定し、ローカルエンドポイント(http://localhost:11434)を指し、利用するモデルを選べます。Cline CLIが未インストールでnpmが使える環境なら、インストール確認のプロンプトも出ます。
Cline CLIはVS Code拡張やJetBrainsプラグインと同じエージェントコアを共有しています。Plan/Actモードの切り替え、MCPサーバー連携、チェックポイント、ルール設定など、CLIでも拡張機能を使えます。
Kanban機能で並列タスクを回す
今回の発表で特に触れられているのが、Cline CLIのKanban機能です。Kanbanは複数のコーディングエージェントを並列実行するためのボードUIです。
Cline公式サイトによると、Kanbanではタスクごとにgit worktreeが割り当てられ、並列エージェント同士が同じブランチで衝突しにくい設計になっています。依存関係のあるカードは前のタスク完了後に自動起動し、リアルタイムの差分表示やインラインコメントでレビューも行えます。
Ollama経由でKanbanを開くコマンドは次のとおりです。
ollama launch cline -- kanban
ローカルモデルを使いながら、複数タスクを同時に進めたい場面で使いどころが広がります。
基本的な使い方
https://docs.ollama.com/integrations/cline-cli
最も手軽なのは、モデル選択付きの対話起動です。
ollama launch cline
起動だけでなく設定だけ行いたい場合は --config オプションを付けます。
ollama launch cline --config
モデルを指定して直接起動する例は次のとおりです。
ollama launch cline --model qwen3.5
Ollamaのクラウドモデルを使う場合は、モデル名に :cloud サフィックスを付けます。
ollama launch cline --model kimi-k2.6:cloud
プロンプトを渡してワンショット実行する場合は、-- の後ろに引数を書きます。
ollama launch cline -- "summarize this repository"
Cline CLI単体のインストールはnpmで行います。Node.js 22以上が必要です。
npm install -g cline
手動設定と推奨オプション
自動起動を使わない場合は、従来どおり手動設定も可能です。まずモデルをpullし、Clineの認証フローを走らせます。
ollama pull qwen3.5
cline auth
プロバイダーにOllamaを選び、ベースURLに http://localhost:11434 を指定します。現在の設定は cline config で確認できます。
Cline公式ドキュメントでは、ローカルモデル利用時に Use Compact Prompt(コンパクトプロンプト)の有効化を推奨しています。プロンプトサイズを抑え、ローカルモデルのコンテキスト上限内で動かしやすくするためです。タスクも小さく区切ると応答が安定しやすくなります。
既存の連携方法との違い
Cline VS Code拡張からOllamaを選ぶ方法は、GUI上で設定を触る点が異なります。一方 ollama launch cline はOllama側からCline CLIを起動し、プロバイダーとエンドポイントを自動設定します。
Cline CLI単体でも cline auth でOllamaを選べますが、Ollama連携コマンドを使えばモデル選択から起動までを一気通貫で進められます。Kanban起動や --model 指定もOllama側の引数として渡せるため、ローカルLLM中心のワークフローに組み込みやすいのが今回の変更点です。
ローカルAIコーディングの選択肢が広がる
OllamaのCline CLI対応は、ローカルモデルをコーディングエージェントに載せる導線を短くする更新です。ollama launch cline 一つで設定から起動まで進められ、Kanbanを使えば並列タスクも扱えます。
クラウドAPIに依存せず、自分のマシン上でコード生成と実行を回したい開発者にとって、試すハードルはかなり下がりました。Ollama v0.16.3以降を使っていて、Node.js 22以上が入っている環境なら、まずは ollama launch cline から動作確認するのが近道です。