アンケートの自由記述、1件ずつ読む作業に何時間もかかっていませんか。MicrosoftはExcel Copilotに、テキスト列を分析してテーマとカテゴリを自動生成する機能を追加する予定です。2026年7月の提供を目指して開発が進んでいます。

この記事では、Microsoft 365 Roadmapに掲載された新機能の内容と、既存のテキスト分析機能との違い、実務での使いどころを整理します。

この記事でわかること

  • Excel Copilotのテキスト列要約機能で何が変わるか
  • 2026年7月提供予定の対象プラットフォーム
  • アンケート自由記述の集計にどう活かせるか
  • 既存のCopilotテキスト分析機能との位置づけ

自由記述の集計が、Excel上で完結する

アンケートや顧客レビューには、数値では表せない自由記述が大量に含まれます。従来は担当者が1件ずつ読み、テーマを手作業で分類するか、専用のテキスト分析ツールにデータを移す必要がありました。Excelにデータがあっても、分析のたびに別ツールへ出す手間がボトルネックになっていました。

Microsoft 365 Roadmapの「Excel: Summarize text columns with Copilot」(ロードマップID: 399425)では、Copilotがテキスト列を分析し、関連するカテゴリやタグを自動生成すると説明されています。例として、アンケートの自由記述回答から主要テーマを見つける用途が挙げられています(参考)。

何が変わるのか

ロードマップの説明は短いものの、機能の方向性は明確です。Copilotがテキスト列全体を走査し、繰り返し現れる傾向をテーマとして抽出します。さらにカテゴリやタグを自動生成するため、分類作業を手作業で行う手間を減らせます。

提供時期は2026年7月を予定しており、現時点では開発中です(参考)。対象はExcel for the web、Windows版、macOS版の3プラットフォームです。Web限定ではなく、デスクトップでも同じワークフローが使える点が実務上のメリットになります。

分析結果についてCopilotに追加の質問を投げかけ、特定のテーマを深掘りする使い方も想定されています。数百件の自由記述から傾向を拾い上げたあと、「不満が多いカテゴリはどれか」と絞り込む流れが、1つのExcelファイル内で完結します。

想定される使い方

https://www.microsoft.com/en-us/microsoft-365/roadmap?featureid=399425

新機能の詳細な操作手順は未公開ですが、Microsoft公式ドキュメントが示す既存のテキスト分析フローから、利用イメージを描けます。

まず自由記述データをテーブル形式に整えます。ホームタブのCopilotボタンからサイドペインを開き、「このシートのコメントから主要テーマを特定して」といった自然言語のプロンプトを入力します。Copilotは分析結果とともに、根拠となったデータ行を番号付きで示します。番号にカーソルを合わせると、どの回答を参照したかをその場で確認できます(Microsoft Support)。

分析に満足したら「Insert column」を選び、テーマやタグのラベル列をワークブックに追加します。追加した列をもとにピボットテーブルやグラフを作成すれば、件数ベースの傾向把握にもつながります。Excel公式ブログによると、テキスト分析は3万行超のデータセットに対応し、翻訳なしで複数言語を処理できます(Microsoft Tech Community)。

セル単位で要約や分類を行いたい場合は、=COPILOT("このフィードバックを要約", A2:A20) のような数式も選択肢です。=COPILOT 関数はAzure上のAIモデルをセルから直接呼び出し、テキストの要約や感情分類に使えます(Microsoft Support)。

既存機能との違い

Copilot in Excelには、すでにテキストデータの要約や感情分析、テーマ列の挿入機能があります。Microsoft公式ブログ(2024年12月公開)では、プロンプトだけでテーマ抽出や感情分析、ソース確認、列挿入まで一連の流れが紹介されています(Microsoft Tech Community)。

一方、今回ロードマップに掲載された機能は、テキスト列からカテゴリとタグを自動生成する点に焦点を当てています。WindowsReportの報道では、Copilot in Excelはすでに要約に対応しているものの、「このレベルではない」と述べられており、自由記述の分類精度と手軽さを一段引き上げる更新だと読み取れます(参考)。

なお、テキスト分析の旧来のApp Skills体験は2026年2月末までに廃止予定です。Agent ModeやCopilot Chatなど新しい体験へ移行する流れの中で、今回のロードマップ項目はテキスト列分析の中核機能として位置づけられています(Microsoft Support)。

利用に必要な条件

https://www.microsoft.com/en-us/microsoft-365/roadmap

この機能を使うには、Microsoft 365 Copilotライセンスが必要です。組織の設定やサブスクリプションによっては、Copilotボタンが表示されない場合があります。ファイルはOneDriveやSharePoint上でAutoSaveが有効な対応形式である必要があり、データはテーブルまたはサポート対象の範囲に整形しておく必要があります。

機能は段階的にロールアウトされるため、2026年7月以降もテナントやチャネルによって利用開始時期に差が出る見込みです。Microsoft 365 Roadmapでステータスを確認しながら待つのが確実です。

自由記述分析の定番ツールになりうる理由

アンケート集計はExcelが最も使われる場面のひとつです。自由記述の分析だけ別ツールに頼る現状を変え、数値データとテキスト分析を同じファイルで完結させるのが、今回の更新の本質です。カテゴリとタグの自動生成が実用レベルで動けば、マーケティング担当、カスタマーサポート、人事の各現場で、専門ツールなしに傾向把握が進みます。

2026年7月の提供に向けて開発が続いています。アンケートやレビューデータをExcelで扱っているチームは、ロードマップの更新を追いながら、テーブル形式へのデータ整備から準備を始めておくと、機能が届いた瞬間から試せます。