複数のAIモデルを個別に契約すると、APIキーの管理と料金の見通しが一気に難しくなります。NaraRouterなら、1つのエンドポイントからDeepSeekやClaude Sonnetなどをまとめて呼び出せます。

この記事では、NaraRouterの無料枠の内容と、開発ツールへの接続手順を整理します。

この記事でわかること

  • 無料枠で使えるモデルとトークン上限
  • アカウント作成からAPIキー取得までの流れ
  • CursorやClaude Codeなど既存ツールへの設定方法
  • 利用時に押さえておく制限事項

https://router.naraya.ai/

NaraRouterとは何か

NaraRouterは、複数のAIプロバイダーを1つのゲートウェイにまとめたAPIサービスです。OpenAI互換の/v1/chat/completionsと、Anthropic互換の/v1/messagesの両方に対応しています。公式ドキュメントによれば、既存のOpenAI SDKはベースURLとAPIキーを差し替えるだけで動作します。

対応プロバイダーはAnthropic、Google、OpenAI、DeepSeek、Zhipu AI、Moonshot AI、Mistralなど15社以上です。料金ページでは34以上のモデルが掲載されています。

なぜ注目されているか

AIコーディングエージェントは、ツールごとに異なるAPI形式を要求します。Claude CodeはAnthropic形式、CursorはOpenAI互換形式を使うのが一般的です。NaraRouterは両方のエンドポイントを提供するため、1つのAPIキーで複数ツールを運用しやすくなります。

StudentOffersの案内では、クレジットカード不要かつ.eduメールアドレスも不要と明記されています。学生限定ではなく、誰でも無料枠を利用できます。

無料枠の内容

公式サイトのFreeプランは次のとおりです。

  • トークン上限: 1日500万トークン(5M tokens/day)
  • リセット時刻: 毎日07:00 WIB(インドネシア時間、UTC+7)
  • レート制限: 1分あたり10リクエスト
  • 料金: 0ルピア(クレジットカード登録不要)

1日500万トークンを30日間使い切れば、月間で最大1億5000万トークン相当になります。ただし、日次上限があるため、1日の使用量は500万トークンを超えられません。

無料で使えるモデル

公式サイトとStudentOffersの情報を照合すると、無料枠で利用できる主なモデルは次のとおりです。

  • Claude Sonnet 4.5
  • Claude Haiku 4.5
  • DeepSeek V4 Flash Naraya
  • DeepSeek 3.2
  • MiniMax M3
  • Mistral Large
  • Mistral Medium 3.5
  • Qwen3.7 Max Naraya
  • GLM-5

DeepSeek V4 Flash、Claude Sonnet 4.5、MiniMax M3は、X上の告知でも無料利用の対象として挙げられていました。MiniMax M3は100万トークンのコンテキストとビジョン(画像入力)に対応しており、StudentOffersでは2026年6月22日までの期間限定無料と案内されていました。

モデルの提供状況は変更される可能性があります。利用前にダッシュボードのモデル一覧で最新情報を確認してください。

接続手順

1. アカウント作成とAPIキー取得

NaraRouterでGoogleアカウントを使ってサインアップします。ダッシュボードのAPI Keysページからキーを発行します。キーはsk-nry-で始まる形式で、作成時に一度だけ全文が表示されます。

2. ベースURLの設定

接続先は次のURLです。

https://router.naraya.ai/v1

PythonのOpenAI SDKを使う場合の設定例は、公式サイトに次のように掲載されています。

from openai import OpenAI

client = OpenAI(
    base_url="https://router.naraya.ai/v1",
    api_key="sk-nry-xxxxxxxx"
)

response = client.chat.completions.create(
    model="deepseek-3.2",
    messages=[
        {"role": "user", "content": "Hello!"}
    ]
)

modelには、利用したいモデルのエイリアス名を指定します。公式ドキュメントではdeepseek-3.2のような形式が例示されています。

3. 開発ツールへの組み込み

公式サイトでは、次のツールとの互換性を謳っています。

  • Claude Code
  • OpenCode
  • Codex
  • OpenClaw
  • Hermes Agent
  • Cursor
  • Factory CLI
  • VS Code系のエージェント拡張

いずれも、ツール側のAPIベースURLをhttps://router.naraya.ai/v1に変更し、発行したAPIキーを設定する流れです。Claude CodeのようにAnthropic形式を使うツールは、/v1/messagesエンドポイント経由で接続します。

利用時の注意点

無料枠にはいくつかの制約があります。

レート制限: 1分10リクエストを超えると429エラー(rate_limited)が返ります。連続して大量のリクエストを送る用途には向きません。

日次クォータ: 1日500万トークンを使い切ると、その日は利用できなくなります。翌日07:00 WIBにリセットされます。日本時間では08:00(サマータイム期間中は09:00)に相当します。

モデル変更: 無料枠に含まれるモデルは、プロモーションや仕様変更で追加・終了することがあります。MiniMax M3の期間限定無料はその一例です。

APIキーの管理: キーはパスワードと同様に扱い、公開リポジトリやクライアント側コードに埋め込まないでください。公式ドキュメントでも、サーバー側の環境変数での管理が推奨されています。

OpenRouterとの違い

同様のAPIゲートウェイとしてOpenRouterも知られています。OpenRouterは50リクエスト/日から始まる無料枠を提供していますが、NaraRouterの無料枠は1日500万トークンと、トークン量では大幅に多い設定です。一方、NaraRouterの無料枠は1分10リクエストと、リクエスト頻度の制限が厳しめです。

用途によって使い分けるのが現実的です。短い会話をたくさん試すならOpenRouter、長いコード生成や大きなコンテキストを使うならNaraRouterの無料枠が向いています。

有料プランの概要

無料枠を超える場合は、Lite(1日2,000万トークン、25リクエスト/分)やPro(1日4,000万トークン、30リクエスト/分)などの日次プランがあります。料金はルピア建てで、従量課金(Pay as you go)も選択できます。有料プランでもFreeプランの特典は引き続き利用できます。

NaraRouterは、複数のAIモデルを1つのAPIキーで試したい開発者にとって、手軽な入口になります。まずは無料枠で接続を確認し、日次クォータとレート制限の範囲内で運用するのがおすすめです。