iPhoneのメッセージアプリにAIを追加したいのに、どれを選べばいいか分からない——そんな悩みに答える集約サイトが登場しました。
この記事では、開発者Stanley氏が2026年6月26日に発表したディレクトリサービス「textanai」の概要と使い方、掲載エージェントの傾向を整理します。
この記事でわかること
- textanaiが何をまとめているサービスか
- 掲載されている35件のAIエージェントのカテゴリと特徴
- 公開電話番号で即テストできるエージェントの例
- 類似サービスとの違いと今後の展開
iMessageにAIを入れる流れが広がっている
AIチャットアプリは増え続けていますが、多くは専用アプリを開かないと使えません。一方、iMessage(iPhone標準のメッセージアプリ)上で動くAIエージェントは、アプリのインストールなしに青い吹き出しで応答してくれるため、日常の連絡と同じ操作感で利用できます。
2026年6月4日には、パーソナルAIアシスタント「Poke」がApple Messages for Business経由でiMessageに正式対応したと報じられ、サードパーティ製AIエージェントがiPhoneのメッセージ画面に入る先例ができました(参考)。この流れのなか、iMessageやSMS、WhatsAppなどテキスト経由で動くAIを探す需要が高まっています。
textanaiとは何か
Stanley氏(@stannostudio)はXで「iMessageエージェント向けのApp Storeを作った」と発表しました。リンク先が運営するのがtextanaiで、キャッチコピーは「The App Store for iMessage apps」です。
textanaiは、テキストメッセージ経由で使えるAIエージェントをカテゴリ別に掲載するキュレーション型ディレクトリです。対応チャネルはiMessageに限らず、SMS、RCS、WhatsApp、電話、Telegram、Webも含みます。公式資料によると、2026年6月5日時点で35件のエージェントが登録され、そのうち16件はコピー可能な公開電話番号を持ち、34件は公式ソースへのリンクが付いています。
掲載カテゴリは、生産性、カレンダー、リサーチ、パーソナルアシスタント、ファイナンス、営業、デート、グループチャット、保険、ヘルスケア、人材、カスタマーサポート、開発者向けツール、メッセージング基盤の14種類に分かれています。
どんな課題を解くのか
テキスト経由のAIエージェントは個別にサービスを立ち上げる動きが活発ですが、利用者から見ると「iMessageで何が使えるのか」を横断的に調べる場所がありませんでした。各社のランディングページを順に開き、対応チャネルや公開番号の有無を確認する手間がかかります。
textanaiはこの情報を一箇所に集約します。エージェントごとに対応チャネル、アクセス方法(公開番号・サインアップ後の割り当て・招待制など)、公式サイト、情報源URLを併記しているため、用途に合う候補を短時間で絞り込めます。掲載漏れのエージェントはサイトからの申請、またはX投稿へのタグ付けで追加を依頼できるとStanley氏は案内しています。
主な機能と使い方
ブラウザでエージェントを探す
トップページからカテゴリやチャネルでエージェントを閲覧できます。注目掲載として、カレンダー管理のCaltext、自前のコンピュータを持つAIワーカー「Bud」、Apple公式承認を受けたPoke、iMessage内の家計簿アシスタントFlipなどが挙げられています。
公開番号を持つエージェントは、番号をコピーしてiMessageやSMSから直接メッセージを送るだけで試せます。例えばパーソナルアシスタント「Homer」は+1 (415) 583-6966、生産性エージェント「Overlord」は+1 (646) 327-3977で連絡できます。アプリのダウンロードが不要なケースが多く、iPhoneユーザーは連絡先に番号を追加する手順だけで体験を始められます。
Matcher APIで用途から探す
textanaiは用途を文章で入力すると、条件に合うエージェントをランキング付きで返すMatcher APIを公開しています。例として「find me a calendar agent」とクエリを送ると、カレンダー系の候補とコンタクトカード形式の情報が返ります。ブラウザで一覧を眺める以外に、自然文で探したい人向けの入口です。
開発者向けのカタログAPI
機械可読なエージェント一覧を取得できるAgent catalog APIも用意されています。フィルタ、ランキング、ソースリンク、コンタクトカードのペイロードをJSONで取得でき、他のツールやAIアシスタントからtextanaiのデータを参照する用途を想定しています。メッセージング基盤としてLinq互換のWebhookエンドポイントも公開されており、将来のルーティング連携を見据えた設計です。
料金
textanai自体のディレクトリ閲覧は無料です。掲載されている各エージェントの料金体系はサービスごとに異なり、textanai上ではアクセス方法(公開番号の有無、招待制かどうか)が示されます。たとえばPokeは軽い操作は無料、負荷の高いリクエストは有料交渉型と公式FAQで説明されています。エージェントを使い始める前に、各サービスの公式ページで料金を確認する必要があります。
類似サービスとの違い
テキスト経由AIのディレクトリとして、TwoThumbsのように電話番号から複数モデルにアクセスするサービスも存在します。textanaiの特徴は、消費者向けエージェントだけでなく、Linqやmessages.dev、Claw Messengerといったメッセージング基盤5件もインフラ層として掲載している点です。開発者がiMessage連携を組み込む際の選択肢まで含めた地図になっており、単なるエンドユーザー向け一覧にとどまりません。
また、各掲載に情報源URLを付ける方針を取っており、34件がソース付きで登録されています。口コミだけでなく公式発表やドキュメントに遡れる設計は、急増するエージェントの信頼性を確認するうえで役立ちます。
今後の展開
textanaiは現時点では手動キュレーションですが、公式資料では自動取り込み、ソース検証、ランキング計測への移行を掲げています。さらに先の構想として、単一のSMS/iMessageエージェントに用途を伝えると、最適なエージェントをコンタクトカード形式で返すマッチング層を目指すと説明されています。App Storeのように探して選ぶ段階から、メッセージ一つで紹介される段階への進化が示唆されています。
iMessageでAIを試したいiPhoneユーザーにとって、textanaiは最初の候補リストを短時間で手に入れられる実用的な入口です。気になるエージェントが見つかったら、公開番号からメッセージを送り、自分の用途に合うか確かめてみてください。