WWDC 2026で発表されたiOS 27は、待望のSiri AIに加え、写真編集やSafari、ショートカット、請求分割、パスワード管理までAIが日常アプリに浸透しています。
この記事では、Android 17にはまだない実用機能を中心に、iOS 27で何が変わるかを整理します。
- iOS 27の主要なAI機能5つとそれぞれの用途
- Siri AIの位置づけと対応デバイス・地域の制限
- Android 17との機能差と、今後のスマホOSの方向性
Siri AIがついに本格稼働
AppleはWWDC 2026で、2年前に約束したAI Siriの刷新を正式に示しました。新名称は「Siri AI」です。画面の内容を理解し、アプリ横断で検索し、Webから最新情報を取ってきて答える、会話型アシスタントに生まれ変わります。
専用のSiriアプリが追加され、過去の会話をiCloud経由で端末間同期できます。カメラアプリにはSiriモードがあり、被写体を認識して説明を返すほか、レストランの伝票を読み取って会話する用途にも対応します。Dynamic Islandから応答が流れ込む新UIや、話す速度・表現のカスタマイズも用意されています。
Siri AIは年内に英語ベータで提供開始予定です。Apple Intelligence対応機種(iPhone 16以降、iPhone 15 Pro/Pro Maxなど)が必要です。EUのiOS・iPadOS・watchOSでは初期提供されず、中国でも規制対応が完了するまで提供されません。iOS 27自体はiPhone 11以降で動作し、秋の無償アップデートとして配信されます。
PhotosのSpatial Reframingで角度を後から変える
PhotosアプリのAI編集が大きく強化されました。Spatial Reframing(空間リフレーム)は、撮影後に写真の視点・角度を変えられる機能です。Vision Pro向けSpatial Photosの技術を発展させたもので、端末上の空間モデルがリアルタイムで角度を変え、欠けた部分はApple IntelligenceがPrivate Cloud Compute経由で補完します。
併せてClean Up(不要物の除去)の精度向上、Extend(被写体の周囲をAIで拡張)も追加されています。AI編集画像にはGoogleと同様、SynthID透かしが埋め込まれます。Google PhotosのAuto Frameに近い機能はAndroid側にも存在しますが、AppleはSpatial Photosとの連携や3D変換(Spatial Scene)と一体で訴求しています。
SafariのNotify Meでページ変更を待たなくていい
Safariには「Notify Me」が追加され、特定Webページの在庫復活や値下げなど、ユーザーが指定した条件の変化を監視して通知します。タブを開きっぱなしにして手動で確認する必要がなくなります。Apple Intelligenceが毎日決まった時刻にページを確認し、条件を満たした時点でプッシュ通知を送ります。iPadやMacとも連携します。
Safariは関連タブを自動グループ化する機能も備えます。Android 17のChromeではGeminiによるページ要約や自動ブラウジング(購入・予約の代行など)が強化されていますが、ページ監視通知に相当する機能は現時点では見当たりません。
自然言語でショートカットを作成
Shortcuts(ショートカット)アプリは、ワークアウト開始時に音量を下げる、バッテリー50%で低電力モードに切り替える、といった自動化を組み立てられるiOSの強力な機能です。ただしレシピ形式の設定は初心者には難しく、利用率は限定的でした。
iOS 27では自然言語で自動化の内容を説明するだけで、Apple Intelligenceがショートカットを生成します。「ワークアウトを始めたらヘッドフォンの音量を下げて」のような指示がそのまま動作に変わります。Android 17には同等の自然言語オートメーション作成機能はなく、代わりにカスタムAIウィジェットが追加されています。ウィジェットは情報表示が中心で、端末の動作そのものを自動化する点ではショートカットと性質が異なります。
請求分割とパスワード自動変更
カメラアプリとSiriのVisual Intelligence連携により、レストランの伝票を撮影して自分が注文した料理・飲み物を選ぶと、チップ込みの支払い額を自動計算できます。Apple Cash経由で友人や家族に送金できるため、割り勘の手間を大幅に減らせます。ただしApple Cashは米国限定のため、海外ユーザーは計算支援のみの利用にとどまります。
Passwords(パスワード)アプリでは、漏えいや脆弱と判定されたログインをワンタップで自動変更できるようになりました。Safariが対応サイトにログインし、新しい強力なパスワードを生成・保存する一連の流れを代行します。Androidの標準パスワードマネージャーには同等の自動変更機能はなく、Chrome内のGeminiが対応サイトのパスワード変更を支援するにとどまっています。
性能と保護機能も同時に強化
iOS 27はAI以外にも手を入れています。Appleの計測では、アプリ起動が最大30%高速化、撮影直後の写真読み込みが最大70%高速化、AirDrop転送が最大80%高速化されます。Liquid Glassデザインには透明度スライダーが追加され、視認性をユーザー側で調整できます。
子ども向けのScreen Time(スクリーンタイム)も刷新され、エンターテインメント・ゲーム・SNSカテゴリごとの1日の利用時間上限や、専門家の知見に基づく推奨値の提示、スケジュール設定が強化されています。
Androidユーザーにも参考になる理由
iOS 27とAndroid 17は、どちらもAIをOSの中心に据えた同年のアップデートです。GoogleはGemini IntelligenceをAndroid 17の中核に置き、Chromeでの自動ブラウジングやマルチモーダル対話を前面に出しています。Appleは端末内処理とPrivate Cloud Computeを組み合わせ、日常アプリへのAI組み込みとプライバシー訴求を軸にしています。
請求分割、ページ監視通知、自然言語ショートカット、パスワード自動変更といった「地味だが毎日使える」機能は、Android側が追随すれば両OSのユーザー全体の体験が底上げされます。スマホOSの次の一手は、チャットボットの賢さ競争だけでなく、こうした実務系AIの普及競争にもシフトしつつあります。