決算発表の前後は株価が大きく動きやすい。Robinhoodは2026年6月29日、接続したAIエージェント向けに決算カレンダー機能を追加し、米国ユーザー向けに提供を開始しました。
この記事では、今回のアップデート内容と、エージェントがどう決算情報を使えるかを整理します。
この記事でわかること
- 決算カレンダー追加の概要と提供対象
- MCP経由で使える2つの決算関連ツールの違い
- エージェントのポジション調整に活かせるデータの中身
- 既存の決算表示機能との違い
https://robinhood.com/us/en/support/articles/trading-with-your-agent/
何が変わったか
RobinhoodはX(旧Twitter)で、AIエージェント向けに決算カレンダーを追加したと発表しました。投稿文では「次に決算を発表する企業の確認」「予想との過去実績の追跡」「エージェントによるポジション調整」が可能になったと説明されています。提供は米国顧客向けで、発表当日から利用できます。
今回の機能は、2026年5月に始まったAgentic Tradingの拡張です。Robinhood Trading MCP(Model Context Protocol)に接続したサードパーティのAIエージェントが、市場データツールとして決算情報を取得できるようになりました。MCPは、AIエージェントが外部アプリやサービスと連携して操作するためのオープン規格です。
追加された2つのツール
公式ヘルプセンターの「Trading with your agent」に、決算関連のツールが2つ掲載されています。
get_earnings_calendar は、市場全体の決算予定を一覧で取得するツールです。最大31日間の期間を指定でき、大型株に絞り込むオプションもあります。エージェントは「今週どの企業が決算を出すか」を横断的に把握できます。
get_earnings_results は、特定銘柄の決算日とEPS(1株あたり利益)予想を調べるツールです。直近の決算実績と今後の予定を銘柄単位で取得します。カレンダーで候補を洗い出し、個別銘柄の予想との乖離を確認する、という使い分けが想定されています。
Robinhoodの通常アプリでも銘柄詳細ページに決算情報は表示されますが、今回のツールはエージェントが自律的にデータを取得し、取引判断に組み込める点が異なります。
エージェントの意思決定支援としての位置づけ
Robinhoodの発表文では、決算カレンダーを使ってエージェントが「ポジションを調整する(position accordingly)」と書かれています。これは、決算前後のボラティリティを踏まえた売買をエージェントに任せる文脈です。
Agentic Tradingでは、エージェントは専用のAgentic口座に預けた資金の範囲で株式やオプションの注文を出せます。市場データツール群には、価格のOHLCV(始値・高値・安値・終値・出来高)、ファンダメンタルズ、テクニカル指標に加え、今回の決算ツールが並びます。エージェントは「来週決算の銘柄を抽出し、予想との過去実績を確認してから注文を検討する」といったフローを組み立てられます。
ただし、Robinhoodは公式ドキュメントで「エージェントが行う取引の責任はユーザーにある」と明記しています。承認なしで動く設定にした場合、エージェントは確認なしに注文を出すこともあります。決算カレンダーは情報取得の手段であり、損失リスクを下げる保証ではありません。
使い方の前提条件
決算カレンダーを使うには、まずRobinhood Trading MCP(https://agent.robinhood.com/mcp/trading)をAIプラットフォームに接続し、Agentic口座を開設する必要があります。対応プラットフォームにはClaude Code、Claude Desktop、ChatGPT、Codex、Cursor、Grokなどが挙げられています。
Agentic Tradingは段階的にロールアウト中で、全員がすぐ使えるわけではありません。アクセス権が付与されたユーザーにメールで通知が届く仕組みです。口座開設とエージェント認証はデスクトップブラウザでの操作が必要です。
決算カレンダー自体は米国顧客向けの提供開始とされています。日本からRobinhoodを利用している読者は、地域制限の影響を受ける点に注意が必要です。
既存機能との違い
Robinhoodには、Robinhood Gold会員向けのCortex Portfolio DigestsというAI要約機能もあります。こちらは保有銘柄に関する決算などのイベントを自然言語でまとめるもので、人間が読むためのインサイトです。
今回追加された決算カレンダーは、エージェントがプログラム的にデータを取得して取引ロジックに組み込むためのAPI的ツールです。人向けの要約とエージェント向けの構造化データ、という棲み分けになっています。
Robinhoodは5月のAgentic Trading開始時に「今後数週間から数か月で機能を拡張する」と述べており、決算カレンダーはその一環です。オプションや暗号資産など、他資産クラスへの対応拡大も計画されています。
決算シーズンにエージェントへ市場横断の予定表を渡せるようになった点は、自動売買の情報面を一段厚くしたアップデートと言えます。利用する際は、エージェントの動作設定と口座の資金上限をあらかじめ確認しておくことが重要です。