Macのデスクトップ作業を、チャットから離れて任せられるようになりました。
2026年6月30日、GoogleはGemini SparkのmacOSアプリ対応をロールアウトしました。これまでクラウド上のブラウザや仮想環境で動いていたエージェントが、ローカルファイルの整理やWorkspace連携までMac上で実行できるようになります。この記事では、変更点と使い方、利用条件を整理します。
この記事でわかること
- Gemini SparkのmacOS対応で何が変わったか
- ローカルフォルダ連携と設定の仕組み
- 利用に必要なプランとアプリのバージョン
- 今後追加予定のリモート操作機能
macOS対応で変わったこと
Gemini Sparkは、Googleが提供する24時間稼働のAIエージェントです。質問に答えるだけでなく、メールの整理やスプレッドシート作成など、複数ステップの作業を代行します。基盤にはGemini 3.5と、Googleが開発するエージェント実行環境「Antigravity harness」が使われています。
これまでSparkはリモートブラウザとクラウド上のコード実行環境を通じて動作していました。macOSアプリへの統合により、ダウンロードフォルダ内のPDFを種類別フォルダへ振り分ける、PCに保存した請求書から予算用スプレッドシートを作成して定期更新を設定する、といったデスクトップ作業をチャットから直接依頼できるようになります。
I/O 2026で予告されていた2つの大型アップデートのうち、Spark対応が先に届きました。もう1つは音声入力の強化で、今夏の提供を予定しています。
ローカルフォルダ連携の仕組み
アプリをバージョン1.80.15.516以降に更新すると、サイドバーにWeb版と同様の「Spark」タブが表示されます。ここから「Connected folders(接続フォルダ)」を選び、Sparkがアクセスできるローカルフォルダを指定します。許可したフォルダ内のファイルだけが対象で、Googleはセキュリティのためこの制限を設けています。
フォルダ整理の依頼例は次のとおりです。
Organize my connected folders. Scan my unorganized files, group them by type or context, and archive the clutter into a clean folder structure. Please show me your organization plan first and ask for my input on where to move them.
実行前に整理案を提示し、移動先について確認を求める動きも想定されています。接続はサイドバーからいつでも解除できます。macOS版では、既存のSchedules(定期実行)やSkills(カスタム手順)の編集にも対応しています。
設定メニューの「Gemini Spark」では、次の2項目を制御できます。
- Keep this Mac awake to run tasks: Geminiアプリ起動中、タスク実行のためにMacのスリープを防ぐ
- Alert when backup fails: 接続フォルダ内のファイルをバックアップできない場合、続行の前に承認を求める(デフォルトで有効)
利用状況は、左下のアカウントメニューから開ける新設のUsage limitsページで確認できます。以前はブラウザのgemini.google.com/usageへ遷移していましたが、アプリ内で完結するようになりました。
接続アプリとMCP連携の拡張
同日の公式発表では、Sparkの接続先アプリも拡張されています。Google TasksとGoogle Keepが加わり、KeepのメモをTasksのToDoに変換するといった連携が可能です。Canva、Dropbox、Instacart、OpenTable、Zillow Rentalsとも統合され、チラシ作成やファイル共有、食事予約、食材注文、賃貸内見予約まで一連の流れで依頼できます。
これらの接続アプリはWeb版とモバイル版で順次展開中で、macOSアプリへの反映は今後数週間で予定されています。加えて、カスタムMCP(Model Context Protocol)のサポートが追加され、好みのアプリをSparkに直接つなげてエージェントをカスタマイズできます。MCPはAIエージェントと外部ツールを標準化された方法で接続するためのプロトコルです。
トピックのリアルタイム追跡も強化され、スポーツの試合結果や株価の閾値到達など、条件を指定して通知を受け取れるようになりました。
利用条件と今後の展開
macOS版のGemini Sparkは、2026年6月30日時点で米国のGoogle AI Ultra加入者(18歳以上)を対象としたベータとして提供されています。月額99ドル以上のプランが必要です。Gemini macOSアプリ本体は無料でダウンロードできますが、Spark機能の利用にはUltraプランが前提です。
アプリの動作要件はApple Silicon搭載のMacBookとmacOS Sequoia(15.0)以降です。英語での提供から始まり、対応国は順次拡大する見込みです。
今後は、スマートフォンやWeb版からMac上のローカルファイルへアクセスし、タスクをリモート実行する機能が追加されます。例えば外出先から「Macにある売上レポートを探し、売上総額を抜き出してメールで送って」と依頼し、Mac側で作業を完了させる、といった使い方が想定されています。提供時期は「coming soon」とされています。
既存のmacOSアプリ機能との関係
Gemini macOSアプリは2026年4月に公開されたデスクトップ向けクライアントです。Option + Spaceでミニチャット、Option + Shift + Spaceでフルチャットを呼び出せます。Commandキーを2回押すと、前面のウィンドウ内容をコンテキストとしてチャットに渡せます。
Spark対応以前から、開いているウィンドウをコンテキストに使う機能は存在していました。今回の更新で、ローカルファイルへの直接操作とWorkspace横断のワークフロー自動化が加わり、デスクトップ上の「情報取得」から「作業実行」へと役割が広がりました。音声入力の強化は今夏予定で、画面コンテキストを読み取りながら口述した内容をその場で整形する体験が追加される見込みです。