車載ディスプレイがなくても、スマホの画面にAndroid AutoのUIを出せます。Googleが公式のスマホ向け機能を順次廃止した今、第三者アプリで同じ体験を取り戻す方法を解説します。
この記事では、廃止された機能の経緯と、Headunit Reloadedを使った具体的な設定手順、画面サイズの調整、自動起動の設定までをまとめています。
この記事でわかること
- Googleがスマホ向け運転UIを廃止した理由と経緯
- Headunit Reloadedで公式Android Auto UIを表示する手順
- 画面が大きすぎる場合のDPI調整方法
- 車のBluetooth接続時に自動起動する設定
なぜスマホ画面でAndroid Autoが使えなくなったのか
Android Autoはスマホ内にアプリとして存在しますが、Googleは公式にはスマホ画面への投影を認めていません。車載ディスプレイや対応ヘッドユニット向けに設計された機能です。
2019年、Googleは「Android Auto for Phone Screens」を公開し、スマホ画面でAndroid Auto UIを表示できる一時的な手段を提供しました。2022年にこの機能は廃止され、後継として2021年登場の「Assistant Driving Mode」へ移行しました。
Assistant Driving Modeは当初、音声操作とメディアアプリに特化した運転向けUIでした。2024年2月にはアプリランチャーが削除され、Google Maps下部の黒いバーに縮小されました。その後、2024年から2025年にかけてMaps上のバー自体も消え、スマホ単体で使える公式の運転向けUIは事実上なくなりました。
How-To Geekの記事では、米国の車両の約3分の2にはAndroid AutoやApple CarPlayが搭載されていないと指摘されています(参考)。車載対応のないドライバーにとって、公式手段の廃止は大きな不便です。
Headunit Reloadedで公式UIを復活させる
Headunit Reloadedは、Android Autoの受信機(ヘッドユニット)をエミュレートする有料アプリです。価格は4.99ドル。Play Storeで「Headunit Reloaded Emulator HUR」として配布されています。
このアプリの重要な点は、独自UIを表示するのではなく、スマホ内の公式Android Autoソフトウェアに表示先を与えることです。How-To Geekの検証では、ハッキング的な模倣ではなく、正規のAndroid Autoインターフェースが表示されると報告されています(参考)。
使い方は2通りあります。インストールしたスマホ自体をヘッドユニット代わりにする「Phone Mode」と、別のAndroid端末(タブレットなど)を疑似ヘッドユニットとして使う方法です。車載ディスプレイがない場合はPhone Modeが最も手軽です。
設定手順
基本セットアップ
- Play StoreからHeadunit Reloadedを購入・インストールする
- アプリが要求する権限をすべて許可する
- 「Phone Mode」をタップする
- Android AutoのUIが起動する(通知シェードから開く必要がある場合あり)
これだけで公式Android Autoの画面がスマホに表示されます。ナビや音楽の操作は、車載ディスプレイ利用時と同じUIで行えます。音声出力はBluetoothやAUX経由で車のスピーカーへ流せます。
画面サイズの調整
初回起動時、UIが画面に対して大きすぎることがあります。次の手順で修正します。
- Androidの戻る操作でメニューを開き、「End」をタップして一度終了する
- アプリを再起動し、Settings > Graphics を開く
- 「Pixel Density (DPI)」の値を変更し、表示が自然になるまで調整する
- 必要に応じてMargins(余白)も設定する
DPIの調整は端末ごとに最適値が異なります。数値を変えながらプレビューで確認してください。
自動起動の設定
毎回手動で起動するのが面倒な場合、Settings > Other から「Auto Start Self-Mode」をオンにします。アプリを開くだけでAndroid Auto UIが自動的に立ち上がります。
さらに自動化するなら、MacroDroidなどの自動化アプリと組み合わせます。How-To Geekの執筆者は、トラックのBluetoothアダプターに接続したタイミングでHeadunit Reloadedを起動するMacroDroidルールを設定していると報告しています(参考)。車に乗るたびにUIが表示される運用が可能です。
利用時の注意点
Headunit Reloadedはルート化不要で動作します。標準的なAndroid端末で利用できます。
Play Storeのレビュー評価は低めですが、How-To Geekの執筆者は数年間の利用実績があり、2.5時間のロードトリップでも問題なく使えたと報告しています。端末やAndroid Autoのバージョンによって挙動が異なる可能性はあります。
Android 10以下の端末では、Android Auto 16.4以降でワイヤレス投影の自動起動が制限される場合があります。Headunit Revivedの開発者ドキュメントでは、Wi-Fiモード(ループバック接続)による回避策が案内されています(参考)。古い端末を使う場合は事前に確認してください。
運転中の操作は法律で制限される場合があります。スマホはダッシュボードマウントなどで固定し、可能な限り音声操作を使ってください。
他の選択肢
Headunit Reloaded以外にも、AutoZenやAutoMateなどのカーランチャーアプリがAndroid Auto for Phone Screensの代替として存在します。これらは独自のダッシュボードUIを提供するため、Android Autoの公式UIそのものではありません。
アプリとスマホの組み合わせが合わない場合、ポータブル型のAndroid Auto/CarPlay対応ディスプレイを別途購入する方法もあります。中古車や旧型車でも、スマホ1台とマウントで運転UIを確保する選択肢は残っています。