Claude Codeがブラウザを操作しているあいだ、中で何が起きているか画面には何も表示されませんでした。
この記事では、Claude Code向けスキルパック「GStack」に新しく追加された /open-gstack-browser スキルを解説します。
この記事でわかること:
- 既存の
/browseスキルとの違い /open-gstack-browserの機能と特徴- GStackの概要とインストール方法
ヘッドレスブラウザの限界
GStackにはもともと /browse スキルが搭載されています。PlaywrightベースのChromiumをヘッドレス(画面なし)で起動し、AIがページを開いたり、クリックしたり、スクリーンショットを撮ったりします。コマンドごとに約100msで動作し、QAテストやUI確認を自動化できるため、GStackの代表的な機能の一つです。
ただし、ヘッドレスモードは画面に何も表示されません。Claude Codeが裏でブラウザを操作していても、どのページを開き、何をクリックしているかはわかりません。操作の流れを把握したいときや、うまく動かないときのデバッグには向いていませんでした。
追加された /open-gstack-browser
2026年4月26日、Garry TanはGStackに新スキル /open-gstack-browser を追加しました。
このスキルは、ヘッドレスではなく画面に実際のブラウザウィンドウを表示して動作します。サイドバーが付いており、Claude Codeの操作と統合されたインターフェースが表示されます。Claudeが何をしているか、クリックのたびに目で確認できます。
サイドバー付きブラウザ: Claude Codeとの統合UIをサイドバーに表示します。操作の文脈を把握しながらリアルタイムで確認できます。
アンチボット対策: サイトのbotブロックを回避するステルス設定が組み込まれています。通常のヘッドレスブラウザが弾かれる場面でも動作します。
自動モデルルーティング: タスクの内容に応じてAIモデルを自動で切り替えます。重い処理と軽い処理を区別して最適なモデルを選択します。
クッキーインポート: ChromeやArcなど実際のブラウザのセッションを引き継ぎ、認証済みページをそのままテストできます。ログイン操作を毎回やり直す手間がありません。
GStackとは
GStackはY Combinator CEOのGarry Tanが2026年3月12日に公開したClaude Code向けオープンソーススキルパックです(MITライセンス)。GitHubで84,500以上のスターを獲得しており、公開から11日間で39,000スターを突破しました。
現在は28のスラッシュコマンドを提供しています。コマンドを入力するとAIの「認知モード」が切り替わり、製品戦略を考えるCEO、アーキテクチャを固めるエンジニアリングマネージャー、バグを洗い出すスタッフエンジニア、リリースを担うリリースエンジニアとして動作します。
TanはGStackについて「計画とレビューは別物。レビューとリリースも別物。それを一つのモードで混ぜると凡庸な結果しか出ない」と説明しています。自分の開発ワークフローから生まれたツールで、60日間で40以上の機能をリリースした実績をもとに公開されました。
インストール方法
GStackのインストールはClaude Code上で以下を実行するだけです。
git clone https://github.com/garrytan/gstack.git ~/.claude/skills/gstack && cd ~/.claude/skills/gstack && ./setup
必要なのはClaude Code、Git、Bun v1.0+の3つです。インストール後、Claude Code上で /open-gstack-browser と入力するとGStack Browserが起動します。ブラウザバイナリは約58MBで、~/.claude/ 以下にインストールされ、PATHや環境変数には一切変更を加えません。
チームで共有する場合は、以下でリポジトリにGStackを組み込めます。チームメンバーは ./setup を一度実行するだけで同じ環境が揃います。
cp -Rf ~/.claude/skills/gstack .claude/skills/gstack && rm -rf .claude/skills/gstack/.git && cd .claude/skills/gstack && ./setup
/browse との使い分け
既存の /browse はヘッドレスで高速に動作します。CI環境での自動テストや、結果だけ確認できればいい場合に向いています。
/open-gstack-browser は操作を目視しながら進めたい場面に向いています。ブラウザの動きを逐一確認しながらデバッグしたいとき、ログインが必要なフローを通しで確認したいとき、AIの操作ミスをリアルタイムで修正したいときに使います。
パフォーマンスは共通で、Playwrightベースの永続的なChromiumデーモンが動作します。初回起動は約3秒、以降は100〜200msで各操作を処理します。アイドル30分後に自動シャットダウンします。
「見えないAI操作」に不安を感じていた開発者にとって、実際の動きをリアルタイムで確認できるこのスキルは、GStackをより実用的に使いこなすための入口になります。