Windowsの操作性を拡張するユーティリティ集「PowerToys」が、バージョン0.99でさらに便利になりました。
今回の目玉はモニターの明るさやコントラストをシステムトレイから直接操作できる「Power Display」と、ウィンドウをどこからでもドラッグ・リサイズできる「Grab And Move」の2つです。どちらもWindows標準にはない機能で、マルチモニター環境やウィンドウ管理に不満を感じていた人にとって即戦力になります。
この記事でわかること
- Power Displayでモニター設定をトレイ操作に集約する方法
- Grab And Moveの操作方法とLinuxユーザーになじみのある設計思想
- Command PaletteとDockの改善点
- ZoomItに追加されたスクロールスクリーンショット機能
Power Display:モニター操作をシステムトレイに集約
外部モニターの明るさを変えるために、本体背面のボタンを手探りで操作した経験はないでしょうか。Power Displayは、その煩わしさを解消する新ユーティリティです。
有効にすると、システムトレイにPower Displayのアイコンが表示されます。クリックするとフライアウトが開き、接続中のモニターが一覧で表示されます。DDC/CI対応のモニターであれば、明るさ・コントラスト・音量・カラープロファイルをスライダーで調整できます。
注目すべきはプロファイル機能です。「ゲーミング」「写真編集」「夜間作業」など用途別の設定を保存しておけば、ワンクリックで切り替えられます。さらにLight Switchとの連携も用意されており、Windowsのライト/ダークテーマ切り替えに応じてモニタープロファイルを自動適用する設定も可能です。
ショートカットキーは Win + Ctrl + Shift + P がデフォルトで割り当てられていますが、設定画面から変更できます。
Grab And Move:ウィンドウをどこからでもドラッグ
Linuxデスクトップでは長年おなじみの操作が、ようやくWindowsにも来ました。Grab And Moveは、ウィンドウのタイトルバーや端を狙わなくても、ウィンドウ内のどこをつかんでもドラッグ・リサイズできるユーティリティです。
操作は2種類です。Alt + 左クリックでウィンドウをドラッグし、Alt + 右クリックでリサイズします。Altキーをシステム修飾キーとして使っている場合は、Winキーに切り替えることもできます。
大型モニターを使っていてウィンドウが画面の端に張り付いてしまった場面や、画面外にはみ出したウィンドウを戻したい場面で役立ちます。既存のFancyZonesとの干渉もなく、GPOポリシーによる管理にも対応しています。
なお、Mouse Without Bordersで複数PCを操作している環境では、マウスとキーボードが物理的に接続されているPC側でのみ動作するという制限が報告されています。
Command PaletteとDockの改善
Command PaletteとDockにも実用的なアップデートが入っています。
Dockを画面の上端か下端に配置したとき、新たにCompactモードが選べるようになりました。サブタイトルを非表示にした高さ28pxのコンパクトな表示で、画面の占有面積を抑えられます。Dockは他のウィンドウの上に常時表示される動作がデフォルトになり、フルスクリーンアプリの起動時には自動的に引っ込みます。
電卓機能には計算履歴の保持が追加されました。過去の計算結果を保存・再利用・削除でき、Enterキーで結果をクエリに置き換える動作も選択できます。
拡張機能まわりでは、プレーンテキストビューワーと画像ビューワーが新しいコンテンツタイプとして追加され、拡張機能からテキストやズーム可能な画像をコンテンツペインに直接表示できるようになりました。
安定性の面では、入力中のクラッシュが2件修正されたほか、1つの拡張機能の障害が他の拡張機能に波及する問題も解消されています。
その他の注目アップデート
ZoomItにスクロールスクリーンショットが追加されました。 画面に収まりきらない長いページやコンテンツを1枚の画像としてキャプチャできます。スニッピング時にテキストを直接抽出する機能も追加され、コピー&ペーストの手間が減ります。休憩タイマーにはスクリーンセーバーモードが加わり、PCのロックも選択できるようになりました。
Keyboard Managerは、記録したキーの手動編集に対応しました。 リマッピングを記録した後、各キーがドロップダウンに変わり、物理キーボードに存在しないキーも選択できます。新しいアクション「Disabled」も追加され、特定のキーやショートカットをワンクリックで無効化できます。
Image ResizerがWPFからWinUI 3に移行しました。 Windows 11のデザイン言語に統一され、将来的なAOTコンパイル対応への布石にもなっています。
Advanced Pasteの修正も実用的です。TeamsやVS CodeなどElectron/Chromiumベースのアプリで自動コピーが失敗する問題が、修飾キーの解放処理の改善によって修正されました。
まとめ
PowerToys 0.99は、PowerToys Settings内の更新チェックまたはGitHubのリリースページからダウンロードできます。Windows 10とWindows 11の両方に対応しています。バージョン1.0に迫る今回のリリースでは、Power DisplayとGrab And Moveという2つのプレビュー機能が加わり、Windowsの基本操作の穴を埋める方向に進化しています。