Hermes Agentをブラウザから操作できるOSS「Hermes WebUI」が、わずか数日で40個の新機能を追加しました。ターミナルの内蔵、MCP管理UI、音声モードなど、CLIとの完全互換を目指す大型アップデートです。
この記事でわかること
- Hermes WebUIとは何か
- 40機能アップデートの主な内容
- 従来のCLI操作からどう変わるのか
- 導入方法
Hermes WebUIの概要
https://github.com/nesquena/hermes-webui
Hermes WebUIは、Nous Researchが開発するセルフホスト型AIエージェント「Hermes Agent」のためのWebインターフェースです。Nathan Esquenazi氏が中心となって開発しており、GitHubでは5,200以上のスターを獲得しています。
Hermes Agent自体は2026年2月にリリースされたオープンソースのAIエージェントで、GitHubスター数は10万を超えています。永続メモリ、自己改善スキル、15以上のメッセージングプラットフォーム対応が特徴で、OpenAI・Anthropic・Google・DeepSeekなど複数のAIプロバイダーに対応します。
Hermes WebUIはこのエージェントをブラウザから操作するためのツールです。3ペインレイアウト(セッション一覧・チャット・ワークスペース)で、CLIとほぼ同等の操作をWeb上で行えます。PythonとバニラJSだけで構成されており、ビルドステップやフレームワークは不要です。
40機能アップデートの全体像
2026年4月30日から5月1日にかけて、v0.50.236からv0.50.260まで一気にリリースが進みました。21個のPRをまとめたバッチリリース(v0.50.237)を中心に、追加リリースを含めて合計40以上の新機能とバグ修正が投入されています。
主な新機能を機能ごとに整理します。
ターミナルの内蔵
/terminalスラッシュコマンドで、WebUI内にターミナルを起動できるようになりました。バックエンドはPTY、フロントエンドはxterm.jsで実装されています。SSHトンネル経由でHermesサーバーにアクセスしている場合でも、ブラウザ内でそのままシェル操作が可能です。
セキュリティ面では、PTYが起動するシェルの環境変数にセーフリストを適用し、os.environをそのまま渡さない設計になっています。
MCP管理UIの追加
設定画面の「System」セクションに、MCPサーバーの管理UIが追加されました。MCPはAIエージェントと外部ツールを接続するプロトコルで、Hermes Agentでも対応が進んでいます。これまでCLIや設定ファイルの編集が必要だったMCPサーバーの追加・削除を、ブラウザ上で操作できます。
音声モードの搭載
ブラウザのWeb Speech APIを利用した音声モードが追加されました。コンポーザーの音声ボタンを押すと、「音声認識→送信→応答生成→読み上げ→音声認識」のループが自動で回ります。1.8秒の無音で自動送信され、保存済みの音声設定も反映されます。
セッションのフォーク機能
/branchスラッシュコマンドで、会話の任意の時点から分岐を作れるようになりました。メッセージにホバーすると表示される「Fork from here」アクションからも実行できます。分岐先にはワークスペース、モデル、プロファイルが引き継がれます。
途中まで進めた会話から別の方向を試したい場合に、元の会話を壊さずに分岐できます。
使用状況の分析ダッシュボード
Insightsパネルが新設され、セッション数・メッセージ数・トークン消費量・コストの統計を確認できます。曜日別・時間帯別のアクティビティをASCII風の横棒グラフで表示し、7日・30日・90日の期間フィルターに対応します。
YOLOモード
エージェントがツールを実行するたびに承認を求められるのが煩わしい場面向けに、/yoloコマンドが追加されました。有効にすると、そのセッション中はすべてのツール実行承認をスキップします。コンポーザーのフッターに琥珀色のバッジが表示され、ワンクリックで無効化できます。セッション単位かつメモリ上のみの管理で、サーバー再起動時にリセットされます。
その他の主な追加機能
コードブロック内のJSONやYAMLを折りたたみ可能なツリーで表示する機能、差分やパッチをカラー表示するインラインビューアー、Cronジョブの実行状態トラッキングと履歴表示、ワークスペースのディレクトリ操作(削除・リネーム・並び替え)、zip/tarアーカイブのアップロードと展開、エージェントのチェックポイントからの復元UI、セッションごとのツールセット切り替え、Codex OAuthのアプリ内認証フローなどが追加されています。
プロバイダー対応では、DeepSeek V4、NVIDIA NIM、Z.AI/GLMが新たに加わりました。
導入方法
Gitリポジトリをクローンしてブートストラップスクリプトを実行するだけで起動できます。Hermes Agentが未インストールの場合は自動でインストールされます。
Dockerでの導入にも対応しており、シングルコンテナ構成ならdocker compose up -dで立ち上がります。今回のアップデートではDocker周りのUID/GID問題やドキュメントも大幅に整備され、macOS環境での権限トラブルが解消されています。
まとめ
Hermes WebUIは、セルフホスト型AIエージェントをブラウザから本格的に運用するための選択肢として急速に成熟しています。ターミナル内蔵やMCP管理といった機能は、CLIを離れてもエージェントの全機能にアクセスしたいというユーザーの要望に応えるものです。Hermes Agentを使っている、またはセルフホストAIに関心がある方は、一度触れてみる価値があります。