AIツールを毎回ゼロから設定し直している人に届けたい。

AIS-OSは、Claude Codeをパーソナル「AI OS」として動かすための無料スターターキットだ。セッションをまたいで文脈を保持し、毎週スキルを積み上げ続ける自動化基盤を、3つのスキルと2つのフレームワークで構築する。

この記事でわかること:

  • AIS-OSが解決する「セッションリセット問題」と設計思想
  • 3つのスキル(/onboard・/audit・/level-up)の具体的な役割
  • Four Csアーキテクチャで何をどの順序で構築するか
  • クローンから最初の2週間の進め方

なぜ”AI OS”が必要なのか

Claude Codeはコードを書き、ファイルを読み、タスクをこなす。だがセッションが終われば「あなたの会社が何をしているか」「どのワークフローで動いているか」はすべてリセットされる。毎回背景を説明するところから始めなければならない。

AIS-OS(AI Automation Society OS)はこの問題を正面から解決する。2026年5月1日にNate Herk氏がGitHubで公開したMITライセンスのスターターキットで、公開3日間でStars 200・Forks 77を超えた。2時間超のマスタークラス動画と合わせて提供されており、フレームワークの全体像をステップ単位で解説している。

ツールが正しく機能しているかどうかの判断基準はシンプルだ。「席を外している間に、AIS-OSが現実の出来事を1つ観察し、自分より速く・正確なアウトプットを出せるか」——この問いにYesと答えられたとき、AI OSが機能しているといえる。

3つのスキルで基盤を作る

キットには3つのスキルが同梱されている。いずれもClaude Codeのスキル機能(SKILL.md)として動作する。

/onboard(初回セットアップ)

クローン直後に1度だけ実行するウィザードだ。7つの質問に答えると、CLAUDE.mdに事業情報・コンテキスト・接続先が自動で書き込まれる。所要時間は約15分。これ以降、Claude Codeはセッションを開始するたびに「あなたの事業が何をしているか」を把握した状態で動く。

/audit(週次ギャップチェック)

7日後から毎週実行する読み取り専用のスキルだ。Four Csフレームワーク(後述)の4層それぞれについてギャップレポートを生成し、今週どこが不足しているかを可視化する。データを変更しないため、副作用なく繰り返し実行できる。スコアが週単位で上がっていくことを確認し続けることが目的だ。

/level-up(週次スキル積み上げ)

14日後から毎週実行する。Three Msフレームワーク(後述)のインタビューを通じて、毎回1つの自動化ワークフロー案を成果物として出力する。設計上の目標は「週1つ、成果物を出し続けること」で、自動化のアイデアを自分で考え続けなくても積み上げが担保される仕組みになっている。

アーキテクチャ:Four Cs

Four Csは、AI OSを構築する順序を定義したフレームワークだ。上から順に依存関係があり、前の層が整ってから次の層に進む。

1. Context(コンテキスト)

Claude Codeが「この事業が何をしているか」を即答できる状態を指す。新しいセッションでも背景説明が不要になることが、この層の完成基準だ。/onboardがこの層を担う。

2. Connections(接続)

カレンダー・タスク管理・Slack・CRMなど、データが実際に存在するシステムとの接続を設定する。「明日のカレンダーとタスクの締め切りを教えて」という問いに対して、コピペ不要でライブデータが返ってくることが基準だ。

3. Capabilities(ケイパビリティ)

短いフレーズで複数ステップのワークフローが走り、成果物が出てくる状態を指す。/level-upが毎週ここに1つずつ積み上げる。

4. Cadence(ケイデンス)

ラップトップを閉じていても、事業に関係するイベントを検知して自律的に動く状態を指す。ContextとConnectionsが整ってから初めて取り組む層で、順序が最後に固定されている。動かないワークフローを自動化しても意味がないという原則からだ。

思考法:Three Ms

Four Csが「何を構築するか」を問うとすれば、Three Msは「どう考えるか」を問うフレームワークだ。

Mindset:「この仕事はどこまでAIで対応できるか」を常に問い続ける姿勢を身につける。

Method:制約を見つけ → 排除・自動化・委譲(EAD)から選択し → プロセスをマッピングし → 自律度を決め → KPIに紐づける流れを繰り返す。

Machine:「シンプルなものが美しい」という原則のもと、エージェントよりワークフローを優先し、必ずKill Switchを設ける。

/level-upを毎週実行すると、Three Msの3段階インタビューが走り、最後に1つのワークフロー案が出力される。Three Msは思考習慣として定着させることが目的で、/level-upはそのトレーニングの場として機能する。

クローンからの最初の2週間

リポジトリをクローンしてClaude Codeで開き、/onboardを実行する。7つの質問に正直に答えると、Day-1のファイルセットが生成される。その後1週間は実際の業務でClaude Codeに問いを投げ続け、意思決定の記録を残す。7日目に/auditを実行してギャップレポートを確認し、1つのギャップを選んで埋める。14日目に/level-upを初回実行し、最初の自動化ワークフローを手に入れる。

料金とライセンス

MITライセンスで公開されており、キット自体は無料だ。利用にはClaude Code(ProまたはMax)のサブスクリプションが別途必要になる。The Three Ms of AI™とThe Four Cs of an AIOS™はNate Herk氏の商標だが、リポジトリに帰属表示付きで収録されており、個人・チームの利用は自由とされている。

Nate Herk氏が運営するAI Automation Societyコミュニティ(Skool)では、マスタークラス動画を含む追加リソースが公開されており、より深い学習環境が用意されている。

まとめ

AIS-OSはClaude Codeに「持続性と積み上げ」を加えるキットだ。/onboardで一度文脈を定義し、/auditと/level-upで週ごとに積み上げる。Four Csで構築順序を守り、Three Msで思考習慣を変える。スターターキットとしての設計は意図的にシンプルで、EXPANSIONS.mdに示された拡張パスを自分でたどる余地が残されている。